FROM:ダン・ケネディ
前回は、カスタマー・サービス・ディプロマット(外交官)が正しい意見の通用しない人に対応するための5つのサクセス・ガイドラインを、#1から#3まで話しました。
今回は、残りの2つについて話しましょう。
難しい人々を相手にする場合のステップ#4
#4: 顧客の個性に合わせること。
人によって性格は様々です。事実や数字、技術的な説明に関心を示す、非常に論理的で分析的な人もいます。あるいは、とても感情的で人間関係を重視する人もいます。また、いつも結論を急ごうとするせっかちな人もいます。
非常に論理的な人に対しては、このような言い方ができます。
「弊社の取引の大半は、リピーターのお客様との取引です。ですから、いかなる理由にせよ、お客様を失うことは我々にとって極めて深刻なことなのです。ですから、私がこの状況を改善するために精一杯努力するということを、信じていただけるものと思います。」
とても感情的な人に対しては、こんな言い方ができます。
「私はお客様との関係をとても誇りに思っています。あなたのためにこの問題の解決に全力を尽くすことをお約束します。」
冷静で分析的な人に対して感情的なアプローチを行なったり、
あるいは逆に、感情的な人に対して論理的なアプローチを行なったりしても、
話は上手く進まないでしょう。
では、その顧客がどのようなタイプの人物かはどうすれば分かるでしょうか?
その服装や振る舞いから感じ取ることができます。また、電話の場合でも、会話の中でどのような言葉遣いをするかによってその人の性格についてヒントを得ることができるでしょう。
この考えは簡単に利用できますし、この考えを利用することによって仕事がもっとおもしろくなるかもしれません。
難しい人々を相手にする場合のステップ#5
#5:具体的かつ明確な約束を示すこと。
なぜなら、お客の怒りは確約が得られるまで収まらないからです。
これは、例をあげて説明する方が分かりやすいでしょう。
あなたが自分で組み立てる本棚を買ったとしましょう。重い箱を車まで引きずって行って、家に持って帰り、今度は、箱を家の中まで運び込みます。
箱を開けて、説明書きを念入りに読んで、必要な工具を集めてきて、さて、いよいよ本棚を組み立てようとした時に、小さなビニール袋に入った部品が箱の中に入っていないことに気が付きます。
あなたが、お店に電話をかけて、店のマネジャーがこう言ったとします。
「どうすれば良いのか分かりません。その部品がどこで手に入るのか分からないのです。後でかけ直しますから、電話番号を教えて下さい。」
あなたはどう感じるでしょうか? このような対応に満足できるでしょうか? なぜ、不満なのでしょうか?
不満な理由は、何の確約も得られなかったからです。何時までに返事をするとのはっきりした約束が無かったのです。
もし、店の経営者が次のように言ったとしたら、少しは満足できるのではないでしょうか?
「申し訳ありません。その部品がどこで手に入るのか分からないので、今すぐお答えすることができないのですが、すぐにお調べして、今日の午後3時までに必ずこちらからお電話させていただきます。電話番号をお教え下さい。」
もちろん、これでも理想的な、あるいは完璧な対応とは言えません。
しかし、それでも、時間を確約したことでずっとましな対応になったのではありませんか?
曖昧なまま何の確約もせずにいると、お客の怒りは収まりません。それどころかさらに怒りが大きくなってしまうかもしれません。
具体的かつ明確な約束を示すことで、お客の怒りを和らげることができるのです。
難しい苦情に対応するための5つのステップは重要です
苦情対応の5つのサクセス・ガイドラインを、復習してみましょう。
#1:決して顧客と喧嘩しないこと。
#2:正しさを分からせることよりも、成功することの方が重要である。
#3:アクティブ・リスナー(積極的な聞き手)になること。
#4:顧客の個性に合わせること。
#5:具体的かつ明確な約束を示すこと。
これらのガイドラインを覚えておけば、難しい顧客からの信頼を勝ち取るのに役立つでしょう。
大切なことは、私たちが極めてストレスの多い社会に生きていることを忘れないことです。大都市はもちろん、地方においても、かつて無いほどイライラやストレスの原因が増えてきています。
ロサンジェルスの高速道路で交通渋滞に巻き込まれた人たちが、お互いにイライラを爆発させて、ついには銃を取り出し、あちこちで撃ち合いを始めてしまったということがありました。
どこまでストレスに耐えられるか、そのレベルは人によってそれぞれです。そして、その許容限度の最後の一線を越えさせる何らかの出来事が起こった時、人は、怒り、激怒へと突入してしまうのです。
苦情を言いに来た顧客は、その沸点近くまでイライラが募っている場合が多くあります。
あなたのカスタマー・サービス・ディプロマシー(外交)次第で、彼の怒りが沸点に達するのを防ぐこともできます。
そうすることで、その顧客も、あなた自身も、そして、あなたの会社も助かるのです。
この5つのサクセス・ガイドラインが、あなたの記憶にしっかりと残るよう、何度も繰り返し読んで下さい。そして、あなたの一部になるようにしてください。そうすれば、顧客からの苦情にずっと上手く対応できるようになるでしょう。
人は1回だけ読み聞きした情報は約15日間の内に85%を忘れてしまうということが、研究により立証されています。
それに対して、同じ情報を約30日間に20回読んだり聞いたりした場合は、85%を記憶し、さらに、その人の考えや発言、行動に影響を与えるのです。
このサクセス・ガイドラインを繰り返し読むことで、苦情対応に勝利できるようあなたの心をプログラムすることが可能なのです。