港出てヨット寂しくなりにゆく  後藤比奈夫

 

 

 あなたは、丘の上で海をながめている。水平線に目を向け、じっと見つめている。やがて沖の向うに幻の船を見る。遠くから汽笛が聞こえる。

 見えてくるや幻の白い帆船を。

 掲出句の「寂しくなりにゆく」の措辞は、なかなか言えないですね。