裏山の日暮が見えて雛祭  齋藤愼爾

 

 

 雛祭に内裏雛などを飾るのは、子女の将来を祝う意味があるという。お雛様は毎年飾らないと泣くのだと言われ、毎年箱から出して飾るのだ。その箱から出すときのときめき。薄い桜紙にくるまれたお雛様を眠りからさます厳かな儀式。