曼珠沙華みな山に消え夜の雨   森澄雄

 

 

 曼珠沙華とは梵語で赤い花の意だという。そうすると白い(クリーム色)花は曼珠沙華とは言わないのだろうか。彼岸のころに咲く花なので、白彼岸花とでもいえばよいのだろうか。

 その紅の反り返った曼珠沙華の花弁は、毒々しいまでに燃えて妖艶なのだが、白い花は従来の曼殊沙華の妖艶なイメージはなく、素朴で供花のような感じがするのだ。