ここよりの山路失せ失せ草茂る   石昌子

 

 

 野草が好きというと笑われそうであるが、道の辺に咲いている春の野草は、たんぽぽでも、あざみでも、浜だいこんの花でも、春じおんにしてもそれぞれ可憐で美しいと思う。雑草としてときには刈られたり抜かれたりしてしまうのであるが、たくましくも哀しむもあるこれらの雑草を愛おしいと思うのだ。