白梅や父に未完の日暮あり     櫂未知子

 

 

 俳句の作り方の一つに取合せがあります。取合せの句は、二句一章とも言われ、異なった事がらやモノを取り合わせて句を詠むことです。取り合わせるフレーズが互いに「即かず離れず」がよいとされています。

 掲出句は、「白梅」と「父に未完の日暮」のフレーズを取り合わせています。「や」と切字を置いて詠嘆していますので、「白梅」と中七以下のフレーズは異なるものなのです。言葉になっていない余白の部分をどう解するか。それは個々人の受け取り方にもよると思います。