木の葉ちりやまずいそぐなよいそぐなよ   加藤楸邨

 

 

 加藤楸邨は、水原秋櫻子の弟子で、人間が生きることを第一に重んずるという作風が特徴だったので、中村草田男、石田波郷とともに、人間探求派と言われた俳人です。1993年に亡くなっています。その加藤楸邨に師事したのが、金子兜人(とうた)で、金子は人間臭い俳句作りを引き継いでいます。

 掲出句は楸邨の代表句の一つです。人間臭い句といえば、<梅雨にひろふ原爆の土ひとかけら>などを思い出します。