山鳩よ音なく桜ちりぬるを    フーザンボー

 

 

 ちりぬるを・・・「いろはにほへとちりぬるを」の「ちりぬるを」です。「散ってしまっている」。「を」は「や」「よ」などと同じく詠嘆の助詞です。

 山桜はソメイヨシノよりも散るのが数日早いようです。音も無く静かに散る山桜。その山桜を眺めていたとき、なにやらガサガサと音がするので、なんだろうかと思ったら、山鳩が落葉をひっくり返していたのです。それで、今日の一句です。

  

 

           城を出し落花一片いまもとぶ    山口誓子