訃は不意に背ナより来たる霜降る夜    フーザンボー

 

 

 霜・・・晴れた寒夜、空気中の水蒸気が放射冷却により冷え、地面や物に触れて、その表面についた氷。(大歳時記)

 霜降る夜は寒く、しんしんとしています。その感じを「霜の声」ということもあります。繊細ですね。「青女」という季語があるのですが、これは霜を降らす女のことを言うのです。

 俳句の大先輩の女性が亡くなったとの連絡が入りました。少し前には、お元気の様子だったので、とても驚いています。やはり、一冬を越すことは大変なことなのだと、あらためて思いました。

 訃(ふ)・・・訃報のこのです。

 背ナ・・・せなか、うしろ側のことです。

 

 

         霜の墓抱き起されしとき見たり    石田波郷