揺り揺られ歌ひ謡ふや秋桜     フーザンボー

 

 

 コスモス(秋桜)・・・かろやかで可憐な花ですが、台風などで倒れてもまた起き上がり花を上向きにつける。そんなしなやかさ、逞しさも気に入っています。

 コスモスは、揺れていてこそコスモスらしいと思います。多少の風はむしろ歓迎しているのではないかと思うのです。それで、拙句です。理屈っぽくなってしまいましたが、「揺り揺られ」は、自らが揺れるとともに、風に身を委ねて揺られている感じを表現してみました。「歌ひ謡(うた)ふ」ですが、「歌」は節をつけてうたうことで、「謡」は節をつけることは同じですが、声を長くのばしてうたうことです。「歌謡曲」の「歌謡」です。

 

 

         コスモスの花あそびをる虚空かな    高浜虚子