西日透く光太郎作明かりとり   フーザンボー

 

 

 昨日の続きで、高村光太郎が戦後7年間暮らした高村山荘(岩手県花巻市)のことです。

 写真の一枚目はお借りしました。厠(かわや・トイレ)の扉に「光」と書かれた字、お分かりでしょうか。これは高村光太郎が厠の扉を「光」の字にくり抜いて、明かり取りにしたのです。

 当時、トイレ内に電灯がなかったのです。それで光太郎は、この明かり取りを工作したのです。「光」は、光太郎の「光」でもあるかな。

 拙句は「西日透く」としましたが、「月光や光太郎作明かりとり」でも良さそうです。

 

 

        西口を出て正面にある西日    池田啓三