荒浪に嘴を突きたる冬鷗    フーザンボー

 

 

 嘴(くちばし)・・・ここでは「はし」と読んでください。

 海鳥の中で、その飛び方が一番美しいのはカモメだと思っています。海原や海岸をゆったりと白い羽をひろげて飛ぶこともありますし、荒れた海の波間にのみ込まれるのではないかと思うほどに飛ぶこともあります。

 次の句は、カモメそのものを句の中に置いていないのですが、小生のお気に入りの一つです。当地は雪が降ることがほとんどないのですが、たまたま雪の降る日にカモメが飛んでいて、それはそれはとても神秘的なものに思えたのです。

 

 

           海鳥の白をにじませ雪降れり    フーザンボー