寒林の落日の紅いとほしむ    フーザンボー

 

 

 寒林・・・冬木立(冬枯れの木立)と似ています。寒中の木立。

 寒の時期の広葉樹は葉を落としているのですが、それがあまり淋しいと思わないのは、葉が落ちている分、木立の中が明るく感じることと、木立をよく見ると上に伸びていく勢いがあったり、芽吹きの兆しを感じることができるからなのでしょう。

 ある句会で「寒」の字を入れて詠むことになっているので、いくつか「寒」を入れて作ってみました。掲句はその一つです。

 

 

                寒林の陽を見上げては眼をつぶる    飯田蛇笏