たたなはる波に月さす淡海かな    フーザンボー

 

 

 淡海(おうみ)・・・琵琶湖・近江のことです。広辞苑によると、「近江」は「淡海」とも書き、「おうみ・(歴史的仮名遣いはアフミ)」と読みます。「淡水湖の意で琵琶湖を指す」とあり、「アハウミの転」と書かれています。「アハウミ」が「アフミ」に転じたのです。

 琵琶湖について、「近つ淡海」という古い言い方(古事記)があります。琵琶湖は都から近いので「近つ淡海」であり、やがて「近江」という漢字が当てられたようです。

 

 畳なはる(たたなはる)・・・幾重にも重なることです。(大辞林)

 拙句ですが、ある句会で、兼題として「淡」が提示されたのです。「淡」を一字入れて句を作るのです。それで「淡海」の句を作ったというわけです。琵琶湖の写真は手元にありませんので、いつもの海の写真でご勘弁ください。

 

 

           近江より帰りて扇しまひけり    能村登四郎