ほろほろと雪降る一日茂吉の忌 フーザンボー
歌人斎藤茂吉は、山形県生まれです。医業の傍ら短歌を学び、大正、昭和とアララギの中心メンバーとして活躍しました。
晩年の戦時中は郷里の山形県に疎開していましたが、昭和22年ごろ東京に戻っています。1953年2月25日になくなっています。
郷里の山形県上山市には斎藤茂吉記念館があり、忌日には歌会が開かれているとのことです。
あまたある歌の中で、次のものは戦後に山形で作られたものです。いずれも戦後日本中が苦しんでいる中での作で、「罪ふかき・・・吾もひとりぞ」、「こころの貧困」のフレーズのように、軽いものは一つもありません。
かりがねも既にわたらずあまの原かぎりも知らに雪ふりみだる
最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも
くらがりの中におちいる罪ふかき世紀にゐたる吾もひとりぞ
最上川の上空にして残れるはいまだうつくしき虹の断片
最上川の流れのうへに浮びゆけ行方なきわれのこころの貧困
最上川です。
ほ
ろ
ほ
ろ
と
雪
降
る
一
日
茂
吉
の
忌