ポケットにどんぐり一つ賢治の忌   フーザンボー



 昨日九月二一日は、宮沢賢治が亡くなった日です(昭和八年没)。


 生前は無名に近い作家でしたが、岩手県の自然豊かな土地に暮し、空想力に富んだ独自の宇宙観や、ヒューマジズムの精神によるすばらしい作品を数多く残しました。「銀河鉄道の夜」、「注文の多い料理店」、「風の又三郎」、「どんぐりと山猫」などの童話は、誰でもが読まれたことがあると思います。


 詩「雨ニモマケズ」は、病床で手帳に書かれていたものが、亡くなられてから発見されたものです。以下は、現代仮名のものです。



雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい























































                                ポ

                                ケ

                                ッ

                                ト

                                に

                                ど

                                ん

                                ぐ

                                り

                                一

                                つ

                                賢

                                治

                                の

                                忌