あるところに
豊かな豊かな
実りの村がありました
実りの村には
心優しい女の子がいました
名前はユラ
ユラは村の動物達と仲良し。
動物達の話を聞いて
手当てをしたり、お薬を処方しています。
ある年の事
その年は日照り続きで
花々はしおれ
村の作物が育たず
人々も動物も
いつもお腹を空かせていました。
雨さえ降れば
またあの豊かな実りの村になるのに…
人々は皆、雨が降る様祈り続けていました。
けれど、村人の祈りは
届く事がありませんでした
そんなある日の朝
ユラのところに村の山羊飼いが
慌てた様子で尋ねて来ました
話を聞くと
どうやら村で飼っていたヤギが
朝になっても外に出ずに
納屋の中で小さくまるまって
動かないそうなのです
作物の育たない今
村人にとって
ヤギのミルクは大切な食料
皆の食料のミルクもチーズも
作れなくなってしまいます。
ユラは、村人の話を聞き
途中だった食事をやめて
納屋へと急ぎました。
納屋にうずくまるヤギのそばに
ユラが行くと
ヤギは力なく鳴きます。
村人にはただの鳴き声も
ユラにとっては違います。
ユラはヤギの言葉が分かるのです。
ヤギと話すユラ…
ユラの深刻な表情は
だんだんと緩み
みるみる笑顔に変わりました。
村人が不思議そうに
ユラの顔を覗き込みます。
ユラは笑って言いました
「この子ね…もうすぐ産まれるんだって」
村人は驚きました?
「コイツァ妊娠してたのか?」
「わからんかったあ」
と、飛び上がって喜びました。
これで、村人達のミルクもチーズも
また作れるからです。
ヤギの出産は村人に任せ
ユラは一度家に戻りました。
ユラが家の扉を開けると
目の前にはユラの家の
猫のシャルルが
ネズミを加えてユラの帰りを待っていました
ユラはシャルルを見て
「シャルル!!何をしているの?」
「その子を離して!!」
と、シャルルに言いました。
ユラの驚いた様子を見て
シャルルはそっとネズミの子を離しました。
そして、お腹を空かせたネズミの子が
ユラの残していた朝ごはんを
食べようとしていたのを見つけ
追い払おうとした時に
強く引っ掻いてしまった事を話しました。
強く引っ掻かれたネズミの子は
胸に大きな傷が付きグッタリ…
シャルルはどうして良いか分からず
咥えたままユラの帰りを待ってたのです。
ユラは悲しそうな顔をしながら
シャルルからネズミの子を預かりました。
ネズミの子の体は冷たくなり
2度と動く事はありませんでした。
シャルルが悲しみうつむくと…
部屋の片隅にネズミのお母さんを見つけました。
ネズミのお母さんは
カタカタと震えながら
悲しそうにこちらを見ていました。
ユラがネズミのお母さんに近付くと
ネズミのお母さんは机の影にかくれます。
ユラはそっとしゃがみ
優しくネズミのお母さんに話しかけました
「あなたはこの子のお母さんなの?」
するとネズミは
「そうです…」
「あの子が貴方のご飯をとってしまい…」
「すみません…」と
深い深い悲しみの目をしながら言いました。
ユラは、ネズミのお母さんの気持ちを思うと
悲しくて切なくて仕方がありませんでした。
そしてユラは
「ごめんなさい」
とネズミのお母さんに一言伝えると
ネズミのお母さんに手を差し出し
掌に乗るよう伝えました。
ネズミのお母さんは
言われるがままに
掌にのりました。
ユラはネズミのお母さんと
亡くなったネズミの子を手に乗せ
庭へ向かいました。
庭の片隅の
日当たりの良い所に
ユラは小さな穴を掘りました。
ネズミのお母さんも
入れる程の小さな祠を作り
そこにネズミの子を埋める事にたのです。
穴を掘り
ネズミの子をそこに寝かせると
ネズミのお母さんは
ポロポロと涙を流します。
それを見ていたユラもまた…
ポロポロと涙が溢れました。
ユラの涙と
ネズミのお母さんの涙が
ポロリポロポロ
ポロポロポロリ
ネズミの子が眠る大地を濡らします
ポロポロポロリ
ポロリポロポロ
ポロポロポロリ
ポロリポロポロ
すると不思議な事に
二人の涙で濡れた大地は
強い光を放ち
その光は天まで差し込みました
天まで差し込む光の先から
ポロリポロポロ
ポロポロポロリ
と、雨粒が落ちて来ました
ポロリポロポロ
と、落ちる雨粒が
日照り乾いた
大地を濡らします
その雨粒で濡れた大地は
不思議な事に
あっという間に緑が生え
実りの村の荒れた大地は
元の豊かな大地に戻って行きます。
村人は驚き
ユラのもとに集まりました。
ユラから話を聞いた村人達は
ネズミのお母さんに
「君の子を助けてやれずにごめん」
「君の子への愛とユラの優しさがこの村を救ってくれた…」
「ありがとう」と言いました。
それからはまた
実りの村は豊かな実りで溢れました。
そして…
ネズミの子のお墓の前には
可愛い花と美味しいパンが
いつも供えられているのでした。
素敵な物語を作ってくれた瑞穂ちゃんはこちらから💕
傾聴セッションやこれからソウルコーチのモニター募集も始まるみたい✨
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そして、娘の実際にあった話しですが
我が家の飼い猫ちゃんがネズミを加えて帰ってきまして
それを見た娘が急いでネズミを助けにいくと、そのネズミはまだ生きていたのでそっと地面に置くと、トコトコと歩いていきました。
向かった先は、もっと小さなネズミのところ
そのもっと小さなネズミは動かず静かに横たわっていました。
そのもっと小さなネズミのところに着くと、小さなネズミはその隣りでじっと動かなくなりました。
その様子を見た娘は、小さなネズミはお母さんネズミ、もっと小さなネズミは子どもだと思い
小さなネズミともっと小さなネズミを手のひらに乗せ
庭に向かいました。
庭にネズミたちを降ろすと
「ちょっと待っててね」
と伝え
小さなネズミは動かず待っていました。
娘がもっと小さなネズミを埋めお墓(欠けた植木鉢を使い)を作り終え
「もう大丈夫だよ」
と声をかけると
小さなネズミはトコトコとお墓の中に入ってえきました。
娘は小さなネズミに「チャチャ」と名前をつけていました。
本当にあったお話しです😊