橙side
架純「んじゃ、駅近くの回転寿司行こ。」
西「駅前?‥‥‥え、吉牛とマックの間のとこしか知らないけど?」
架純「そうそう。そこ。てか、マックってやっぱり違和感。関西はマクド率高かったから。」
西「マクド‥‥‥」
そういや與がそう言ってて違和感あったよな。
西「いや、でもあそこ100円だよ?そんなとこでいいの?」
架純「私お寿司大好きなの」
駅前の通りを架純ちゃんと並んで歩いている姿が、ショーウインドーに映る。
的場ちゃんが勘違いしたように、確かにカップルみたいだ。
背も実彩子と一緒くらいなんだな。
架純「‥‥‥なに?」
俺の視線を感じてか架純ちゃんがこっちを振り向く。
リボンのついたポニーテールがくるんと宙をはねた。
西「あ、ううん。なんか女の子と歩くの久々だなって。」
架純「‥‥‥‥」
架純ちゃんは何も言わず目をくりんとさせていた。
西「土曜日だから混んでるかもなー」
土曜日の飲食店はどこも混んでるイメージ。
秀太んちもそうだ。土曜日が1番客が多い。
架純「ねぇ、にっしー。。。本当に別れちゃったの?彼女と。」
西「え?」
架純「‥‥‥指輪。ずっとしてるから。」
俺の薬指に光る指輪は高校3年のときに買ったペアリング。
西「‥‥‥‥」
これを外したら、別れたことになるんだろうか。
外さなければ、別れたことにはならないんだろうか。
架純「あ、ごめん!ってか、土曜日だからすごい並んでそう!急ごう!」
架純ちゃんは少し小走りで先を行った。
気を使わせちゃったよな。