西和賀日記600回「砂風呂で迎えた68歳」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

西和賀町に住んで2年経ち、初めて槻沢温泉「砂ゆっこ」の砂風呂に入りました。

 

 

遠方からも客が訪れる、町を代表する観光施設です。

温泉の一般入浴には、真昼温泉の定休日によく利用しています。

砂風呂(1200円)に足を踏み入れたのは、きょう5月9日が誕生日だからです。

ぼんやりした日常に少し変化をつけてみっか…という目論見であります。

 

 

脱衣所で浴衣一枚になりタオル一本持って砂風呂へ。

お世話してくれたのは、なんと大野の呑み仲間ヒロシさん。

砂かけおじさん歴4年だそうです。

砂といっても石英質の珪砂(けいしゃ)です。

山から採れる天然珪砂を使っていて、パイプで温泉を通して砂を65度くらいに保っているそうです。

横になって砂をかけてもらいました。

 

 

砂はけっこう重くて熱いです。

時間は15分。

もっと長く埋もれていると低温やけどすることがあるといいます。

砂風呂初体験の不安もヒロシさんと喋ることで解消されました。

体がじわじわ熱くなってきました。

熱いと感じたら、少し体を動かすと砂が体の下に入り込んですき間をつくって、熱さがやわらぎます。

腰痛や肩こりにいいそうで、農家の人も仕事が一段落した時などによく訪れるとのことです。

確かに、体の芯からあったまり全身から汗が出て(水で絞ったタオルで顔をふいてくれました)、腰痛になった時にはシップ薬より効きそうです。

 

 

砂を落とす専用の風呂につかってから、一般浴場の温泉につかりました。

なんだか体が軽くなった感じです。

血行が良くなると体のあらゆる器官が活性化するような気がします。

 

 

湯あがりの湯田牛乳がいつにも増しておいしく感じました。

脱衣所や休憩室は冬季期間には床暖房されるのも魅力です。

 

 

売店にはビールも売っているので、次は徒歩か自転車で来て、2倍楽しもうかと密かに考えました。

 

 

昭和31年生まれの68歳になりました。

でも自分の中では、あきれるくらい若いつもりでいるのです。

栃木の田舎から東京に出て行って、見るもの聞くもの珍しがっていた20代のころの気持ちと、今もほとんど変わらないようなのです。

この歳になれば、年齢相応に常識をわきまえた生き方をするのが当たり前なのでしょうけど、このオレときたら…

 

 

砂ゆっこの快適気分のままに明るいうちから晩酌です。

ジョニ・ミッチェルのCDを回し、20代のころを思い出しながら。

タケちゃんのソーセージがメーンディッシュです。

僕んちの裏庭の山椒の香りと新作のヒロッコ味に、ポテトサラダとほうれんそうソテーを添えて。

ミユキさんちのわらびは長いままいただきました。

西和賀では、長いわらびを短く切るようなことはしません。

それがうまい食べ方だと、住んでみて分かりました。

町特産の西わらび、出荷の時期を迎えたようです。 (5月9日)