西和賀日記209回「早朝のカタユキ散歩」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

春めいてくる融雪期、夜に晴れ上がると放射冷却になって朝には雪面がカチカチに堅くなります。

これをカタユキ=堅雪と呼んで、楽しみにしている人がけっこういるようです。

雪の上をどこでも歩き回れるからです。

 

 

夜明け前、家からすぐの雪原を歩きました。

昼間あたたかく夜冷え込んでカタユキになっていました。

 

 

真南のかなた、南本内岳(写真中央)に朝日が射し始めました。

 

 

四方を山に囲まれた西和賀町も日の出を迎えました。

 

 

雪面は氷のような堅さです。

これが本場のカタユキなんだなぁと実感。

 

 

長靴が沈みません。

靴底がシャッシャッと小気味よい音をたてます。

雪がなければ歩けない場所をこうして軽々と歩けるのは、ワカサギ釣りの氷上というほどではありませんけど、かなり気持ちのいいものです。

 

 

1週間前に頂上に立った高下岳を見ながら歩いていると、遠くにも誰か歩いていました。

カタユキが大好きそうなマサルさんでした。

 

 

こんなに広くて景色が最高の場所に二人しか人がいないという西和賀の幸せな時間。

農家のマサルさんは、歩きながら畦畔(けいはん)が気になるそうです。

このあたりは田んぼで、畦畔の筋が雪面に見えています。

「昔は子供がたくさんいて、肥引き橇(こえひきそり)にみんなで乗ってそこの山に引いていって滑って遊んだもんだ」

 

 

北のかなたに和賀岳が輝いていました。

きのうリョウイチさんが「3月ごろ快晴が続くことがある」と言っていたのが、この青空のことのようです。

カタユキのステージを天がこしらえてくれているのです。

町北部に住む知人も出勤前にカタユキ散歩を楽しんだとメールにありました。

ご近所さんも犬の散歩は雪の上だったようです。

 

「カタユキ」に続けて「ザノシ」と言ってみてくださいな。 (3月6日)