西和賀日記108回「八味でも七味なのだ」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

きのうの朝のこと、タケちゃんが玄関にヌゥっと現れました。

「前半は眠かったけど後半は目が覚めたよ」

ドイツ戦の興奮を伝えに来たのでした。

 

 

西和賀移住を機に僕が一番変わったことは、高校を卒業後48年間続けていた新聞購読を辞めたことです。

でもドイツ戦勝利の喜びをかみしめたいなぁと思い、最寄りのコンビニ(県境を越えて秋田県横手市)に車を30分も飛ばして買いに行きました。

読売、朝日、毎日、スポーツ紙…、どれも締め切り時間に間に合わなかったのでしょう、載っていません。

唯一、地元紙の秋田魁新報が1面トップとスポーツ面に大々的に載せていました。

大新聞も、締め切り時間では地方紙にかなわないのです(地方紙は締め切り時間もさることながら、契約している通信社の配信記事で待機スペースを埋めるので掲載できるんですけどね。各紙とも都内版とかには載ったはずです)

 

いや、新聞の話じゃなくて、タケちゃんは自作の七味を持ってきてくれたのでした。

 

 

夏ごろから、近所や山でせっせと木の実を採集していたのを僕は知っていました。

 

 

僕んちの山椒も採っていきました。

 

 

雪国文化研究所のオノデラさんに教わってキハダ(黄膚)の実も採ってたなぁ。

 

「七味だけど、ホントは八味なんだよね」

唐辛子、山椒、キハダ、トウキ、ニラ、タムシバ、クロモジ、ウド。

ぜんぶ地元周辺で実ったものです。

それを乾燥させ粉にして調合したようです。

 

 

さっそく煮物にかけてみると、市販の七味にはない、鮮やかな香りが広がりました。

 

 

かけそばが、七味(八味)に触発されたか、かけそば以上の存在であることを主張しているようでした。

汗と時間をかけて山の幸を凝縮させた、魔法のような薬味なのでした。 (11月25日)