気仙沼日記1064回「あおばた豆という豆」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

新月パーキング軽トラ市のおかあさんたちは、僕にとっては野菜や料理や方言の先生なんです。





気仙沼に住んでまもなく「うるがす」を知ったのは、この軽トラ市です。

水にひたして「ふやかす」ことですね。


今月、軽トラ市で青い豆を目にしました。




「この豆、何?」

「あおばた」

「何? 何だって?」

「あおばただよ、あ・お・ば・た」


僕は、あおばたなんていう豆を知りませんでした。

隣の軽トラも、その隣も、この豆を売っているのです。

秋に収穫して、干して、今ごろ売るのだそうです。




試しに一袋買いました。

青というか、薄緑色の小さな豆です。





「うるがして、塩入れて煮るんだよ」

水で一晩うるがしたら大きくふくらみました。





こんなにふくらむんですね。

豆料理をあまりやってこなかったので、びっくりです。

うるがした豆を、塩を加えて煮ました。




「酢としょうゆで食べるとおいしいよ」

たしかに、素朴な食べ方で、うまい。




別のおかあさんが「砂糖としょうゆで煮てみな」と言うのです。

煮方がへたなのか、しわが寄ってしまいましたが、けっこううまかった。


「あおばた豆って、珍しい豆ですかね?」

僕の問いに、おかあさんたちは、あきれ顔で「ふつう、ふつう」と言いました。


きのう行きつけのスーパーで目にしたんです。

「山形産 青ばた豆」

これだ! 

喜んだと同時に、知らないのは僕くらいで、誰もが知っている、普通の豆なのではないかと気付いて愕然としました。

僕は、還暦を過ぎるまで「青ばた豆」を知らなかった自分を哀れに感じたほどです。

世の中のことを知らずに、いったい何をして歳を取ってきたのでありましょうか。


青ばた豆は、ゆでたのをタッパンに入れておいて、煮物や汁物やサラダにパラッと加えると便利ですね。 (12月15日)