気仙沼日記259回「つぶ貝」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

復興屋台村気仙沼横丁の行きつけの店で、今年初めて「大島のとっつぁん」に会いました。


70歳くらいの元漁師で、松茸採りの名人でもあります。


「いいとこ来たな。うめえもの持ってきたぞ」ということで、出てきたのが…






つぶ貝とのこと。3センチくらいの小さな巻貝です。

楊枝でほじくり出して食べます。

磯の珍味ですが、大島のとっつぁんが「うまいぞ」と自慢するほどのことはない貝ではあります。


日曜の常連Uさんが「つぶ貝の正式名称を言える人はいないでしょうね」と言いました。


家に帰ってから調べたら、「つぶ」というのは螺(にし)類の総称だそうで、東北で「つぶ」と言えば田螺のことのようです。


Uさん曰く、「岩からすぐにはずれるのはヤドカリが入っているんです。つぶは手で引っ張った時に手ごたえがあるはずれ方をします。海岸の岩や岸壁にいくらでもひっついていますよ」。


ママが刺身の小皿をそっと出してくれました。





ママは「お口直し」とは言いませんでした。

大島のとっつぁんは、これを横目に「んじゃまたね」と言って席を立ちました。


気仙沼大島行フェリーの出発時刻が迫ったからです。  (7月10日)