観光客が目立つ大型連休のある日の昼の復興屋台村気仙沼横丁。
ふだんは人気の行きつけの店は、なぜか一人の客もいません。
さっそく生ビール。
お通しは、ほうれんそうのおひたし・しらす(釜揚げにしょうゆでかすかに味付けしたもの)載せ。
「ほかの店は、どこも客がいっぱいだね」
「観光客は海鮮丼がお目当てだから」
前日残ったイワシをみそ煮で出してくれました。
「海鮮丼、ちょっと高いよね」
「観光客向けだから」
肉厚になってきた旬のホヤの刺身です。
「おれ、観光客で気仙沼に来ていたころは海鮮丼の店に行ったけど、今は行かないな」
「写真とか、表にいっぱいあるから、目は引くね」
(右から)メバチマグロ、ビンチョウ、メカジキの中落ち。
「海鮮丼の魚、あんまりいいもの、使ってないべ」
「他は知らないけど、ウチは仕入れには気をつかってるよ」
前夜の肉じゃがをコロッケにしてくれました。
「高くて、まずいんじゃ、気仙沼の評判が落ちるよな」
「観光客は被災地支援みたいな感覚で、高くても文句言わないから」
山形の「つや姫」をふっくらと炊き上げたのに、客は一人も入ってきません。
しらすを載せた一膳をいただきました。評判のきのこ汁付きです。
「観光客には、いい店かどうか、区別つかないからなあ」
「何でも、手抜きしないでやってれば、さあ…」
お銚子も2本立てて、全部で2000円。
ちなみに、観光客が行列をつくる海鮮丼は3000円もして、魚はイマイチだし、盛りも少ないのです。
そんな現実が露わとなった大型連休の一日でありました。 (5月4日)