気仙沼日記208回「大型連休の片隅で」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

観光客が目立つ大型連休のある日の昼の復興屋台村気仙沼横丁。


ふだんは人気の行きつけの店は、なぜか一人の客もいません。


さっそく生ビール。




お通しは、ほうれんそうのおひたし・しらす(釜揚げにしょうゆでかすかに味付けしたもの)載せ。


「ほかの店は、どこも客がいっぱいだね」

「観光客は海鮮丼がお目当てだから」





前日残ったイワシをみそ煮で出してくれました。


「海鮮丼、ちょっと高いよね」

「観光客向けだから」





肉厚になってきた旬のホヤの刺身です。


「おれ、観光客で気仙沼に来ていたころは海鮮丼の店に行ったけど、今は行かないな」

「写真とか、表にいっぱいあるから、目は引くね」





(右から)メバチマグロ、ビンチョウ、メカジキの中落ち。


「海鮮丼の魚、あんまりいいもの、使ってないべ」

「他は知らないけど、ウチは仕入れには気をつかってるよ」





前夜の肉じゃがをコロッケにしてくれました。


「高くて、まずいんじゃ、気仙沼の評判が落ちるよな」

「観光客は被災地支援みたいな感覚で、高くても文句言わないから」





山形の「つや姫」をふっくらと炊き上げたのに、客は一人も入ってきません。

しらすを載せた一膳をいただきました。評判のきのこ汁付きです。


「観光客には、いい店かどうか、区別つかないからなあ」

「何でも、手抜きしないでやってれば、さあ…」


お銚子も2本立てて、全部で2000円。


ちなみに、観光客が行列をつくる海鮮丼は3000円もして、魚はイマイチだし、盛りも少ないのです。


そんな現実が露わとなった大型連休の一日でありました。 (5月4日)