気仙沼日記 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

今週、岩手県山田町の「田の浜」に行ってきました。

ここは、昭和8年の昭和三陸大津波で壊滅した際に、宅地を背後地に造成し、高台移転した街なのですが、その後、ふたたび平地に街ができて、今回また大きな被害を出した所です。




港の堤防側から見ると、平野部には建物の基礎が残るだけで、一軒の家もなくなっています。遠くに見えるのが、昭和三陸大津波以降、高台移転した街並みです。


街の入り口に昭和9年に建立された津波記念碑があります。2011年の大津波で倒れ、そのままになっております。




碑には、「大地震の後には津波が来る」の有名な一節があります。

そして、すぐに逃げることや、日頃から避難路を確認しておくよう書かれています。このような石碑が伝えていることは、実はとても大切なのですが、今は見向きもしない人が多いのかもしれません。


気仙沼からは、大船渡線BRT(バス)で盛、盛から三陸鉄道南リアス線で釜石、釜石から岩手県交通の路線バスで船越駅前まで、4時間くらいかかりました。


田の浜は、柳田国男の「遠野物語」第99話で語られている場所です。明治三陸大津波で死んだはずの妻が海岸を歩いている話です。夫の子孫が田の浜に住んでいて、今回の大津波で母親を亡くしたそうです。子孫は、悲しみから立ち直って、今は街の復興のために働いているそうですが、明治の話に通じる感動的な実話として、こちらでは語られているんです。


前から行きたいと思っていて、田の浜までは足を延ばす機会がなかったのですが、震災から4年経って、やっと歩いて来ることができました。


岩手船越駅(運休中)近くのラーメン店「くいしん坊」で、磯ラーメンを食べました。カニやホタテやワカメが入って、磯の香り満点の塩味でした。




この店から歩いて3分ほどのところに「道の駅やまだ」があります。岩手や山田の物産が売られており、釜石行バスの始発にもなっています。缶ビールを買って、サンマ佃煮や手作りおからで一杯やって帰途につきました。(5月1日)