気仙沼日記 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

 夕方、ちょっとさびしくなって、歩いて復興屋台村の南町紫市場に行きました。老舗やきとり屋さん「○安(まるやす)」で一杯やりました。カウンターの隣客の、魚市場の仲買人をやっている30代の男が、今の時期のサンマは脂が乗っているから、刺身で、しょうゆに一味唐辛子を振って食べると最高だっちゃ、と言うのでありました。「お先に」と店を出て、スーパー片浜屋で鮮サンマと一味唐辛子を買って帰宅し、さっそく三枚におろして刺身にして、いただきました。





 切れない包丁によって、惨憺たるサンマとなってしまいました。ところがです。仲買人の言うとおり、しょうゆに一味唐辛子をたっぷり投入したタレにつけてほおばったらですね…、初めはなんだか味が混沌としているんですが、数秒後に、サンマの旨い脂がじわりと広がって、それはそれはもう産地の特権の味と言いますか、おそらく関東あたりの都市部ではまったく遠い世界にある味覚でしょうね、これは…と言っていいほどの、絶品となったのであります。唐辛子の辛味が、サンマの脂に抱かれてしまったかのようです。

 気仙沼のすごいところは、僕のような、包丁のド素人が、サンマをこんなにも旨く調理できて、味わえることなんですね。素材がいいからでしょう。丸々太ったサンマがたったの120円(税別)で買えるんです。刺身&一味唐辛子の組み合わせが旨いのは、今の時期だけなんだそうです。9月も後半になったら、刺身は酢味噌に限るそうです。 (9月10日)