日経新聞朝刊、中村敦夫「喪友記」、市原悦子さんを悼む | 妻を亡くした夫と母親を亡くした娘の生活

妻を亡くした夫と母親を亡くした娘の生活

2016年9月病院で愛妻が亡くなりました
夫は翌年大学生になった娘と愛犬2匹と暮らしていました
2022年11月二女が動物病院で亡くなりました
2024年1月に三女が後を追うように亡くなりました
大学生の娘と二人家族になりました

本日の日経新聞朝刊文化面で、俳優の中村敦夫が先日亡くなった市原悦子さんを偲んで追悼文を寄せています。

中村敦夫という人、俳優として木枯らし紋次郎役でお茶の間を席巻しただけでなく、ニュースキャスターなどの活躍により、多才で知的な文化人として印象付けられています。

中村敦夫より俳優座で6期先輩の市原悦子さんは、中村が入団した時点ですでに俳優座の看板スターであり新劇界のトップスターでした。

その市原さんを中村敦夫は「肝っ玉女優」と称しました。

1960年代後半に寺山修司の「天井桟敷」、唐十郎の「紅テント」などの解放的な演劇運動に危機感を抱いた、既成の大手劇団の若手俳優たちが劇団幹部に反旗を翻した事件に触れ、結局敗れて集団脱退した中に市原さんもいたと言います。

その劇団におけるポジションを投げ捨てるまでの度胸を、中村は「肝っ玉女優」と言ったのでした。

しかし、市原悦子さんも中村敦夫も俳優座を脱退して大成功したわけですから、度胸もあったのでしょうが、先を見る目があったとも言えるのではないでしょうか。

暖かい声で親しまれた女優さんの別の側面を紹介したかったのでしょうが、中村敦夫の市原さんに対する尊敬の念が凝縮された良いエッセーでした。