読書日乗

読書日乗

低い城の羊男

 

アニメ「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」をみる。
これも「おっさんのためのアニメ」。
「片田舎のおっさん、剣聖になる」と同様、ウダツの上がらないサラリーマンの
独白の吐露が物語の雰囲気を伝えている。
もちろんダメなサラリーマンという設定が表向きだが、実はとても仕事ができる
おっさんなのだが自覚がないところが安定感としてある。
また、こちらは随分と年下のスーパーで働く女性の独白も多いあたりが年齢差の
恋愛を支えている。
自分ではおっさんが主人公のマンガのなかでも、たいへんなお気に入りなので、
アニメ化は楽しみにしてました。
絵柄と物語の進行は原作そのままなので、声優さんの声がアニメ独特の味かな。
女性の声は煙草吸っているときの粗暴さとなげやりさ、レジに立っているときの
可愛さは自分のイメージと合ってる感じ。
ただ、おっさんの声ははじめ違和感があって、自分のなかではこのおっさんは
前川清なので、もう少しだけ声が太いとよかったかな。
しかしスーパーが舞台になるアニメというのはこれまで見たことなかったかな。

 

「アサッテの人」諏訪哲史を読む。
芥川賞および種村季弘の弟子ということで、難解な小説を期待していたのだが、
とても読みやすい、いまどきの文学という感じ、というか、なんとなく同じ
芥川賞作家の高山羽根子と似ているような。

「アサッテ」という現在の軛から違う世界にいこうとする叔父を描いた私小説風の
メタフィクションという構成か。
叔父の「哲学的奇行」の謎を解いていく流れで進んでいくが、吃音と向き合う姿や
以前は真面目に働いていたり、しかし妻を亡くしてからの日常が一変していく
あたりはせつないものがある。
叔父が意味なく「ポンパッ」と叫んでるのですが、検索すると髪型のことらしい。
まあ、関係ないのでしょうが。

「日記の時代」本の雑誌を読む。
2026年4月 桜烏賊かっぽれ号。
日記を読むのが好きなので、けっこう期待していたが、日記本を見つける特集
という感じではなかったので、それほど読んでみたいものはあまりなく。
それでも、ウィトゲンシュタイン『秘密の日記』、こんなものが出ていたとは。
もはや絶版らしいので、古本の値段も相応。
「適当日記」高田純次は黒田信一が勧めているので面白いのでしょう。
しかし本の雑誌なのに、坪内祐三に触れてない。西村賢太には触れてるが。