私がお話しする相手、直接のお客さんは社長さんです。

 「男はつらいよ」という映画シリーズがありましたが、私が感じるのは、

 

 「社長もつらいよ」。

 社長が日々感じている苦労は基本的に誰もわかってくれません。社員さんや知り合いにそれを告げても、「へえ、そうなんですね」でおしまいです。

 話はちょっとずれますが、再生のフェーズに入った時に、「この会社には見切りをつけて新会社でスタートを切りなおす」というアイディアが出てくる時があります。社長が考えるのは「ウチのナンバーツーは頼りになるからソイツに事業を継がせて…」というプランです。

 最初はナンバーツーも「頑張ります!」と言ってくれるのですが、話が具体的になるにつれ、ナンバーツーの態度が硬くなっていきます。

 「え、私が連帯保証して創業融資を借りるんですか?」

 「そのお金でたまっている買掛などを払うんですか?/お店の敷金を入れなおすんですか?」

 「…私にとってのメリットは?」

 となっていきます。

 そこで社長さんからお聞きするのは、

 「アイツにはあれだけよくしてやったのに…」という言葉です。

 実は社長が考える、「ここまでやってあげた」と雇われる側の「社長によくしてもらった」には大きな隔たりがあります。

 

 社長が大変な苦労をして金策して払った給与も、

 

 「え、今日給料日ですから…働いて給与もらえるのは当たり前ですよね」

 

 という話にしかなりません。

 会社や社長がどんなに苦しくても、「給料は出て当たり前」。「仕事はあって当たり前」。

 社長の立場で社員さんに何かしてあげたときに、社長さんが「10相当のことをした」と思っても社員さん側が感じるのは「1相当してもらった」位の差があります。

 (もし社内に、社長に感謝の意を表してくれる社員さんや、社長をねぎらってくれる社員さんがいたら大事にしないといけません!)

 話がずれましたが、社長業、つらいことがあると、社長は人知れず泣くことになります。家庭で奥様の前で泣いても、飲み屋でママの前で泣いても、友人に相談して泣いても、気は晴れません。

 本当に社長の気持ちを理解し、社長の立場に立ってアドバイスや励ましをしてくれるわけではないからです。

 私自身、社長を経験しましたし、社長の気持ち、わからいでか。

 孤独に耐え、毎日自らを励まし、足を運び続ける、社長のご苦労を結実させるために、このブログがお役に立てれば幸いです。

 

 >目次へ戻る

 >用語集へ


 

【激変する「仕事」】

 

 いろいろなところに引き合いに出された衝撃の記事。

 

 オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」

 

 なくなる可能性が高い、とされた職業にはこのブログと関係の深い、「銀行の融資担当者」がトップに挙げられています。(私はごく近い将来、銀行の「支店」は役目を終えると思っています)

 

 そのほか、従来知的労働といわれてきた職業がリストされています。

 

 「保険の審査担当者」

 「給与・福利厚生担当者」

 「クレジットカードの承認担当者」

 「簿記・会計・監査の事務員」

 「金融機関のクレジットアナリスト」

 「訪問販売員」

 

 いままで熟練が必要とされ、「名人芸」が存在した、これらの仕事はAIで自動化されていく。なんとあっけない…

 

 これを中小零細企業にあてはめたらどうなるでしょう。

 

 従来高くて手の届かなかったサービスが受けられる可能性が出てきます。別稿で書きますがクラウド会計で会計コスト(手間も時間もおカネも)が下がればその下がったコストを使って別のサービスが受けられるようになるはずです。

 

 HP制作や広告宣伝、商材の設計など従来高価だったサービスが手軽に安く使えるようになってくるはずです。

 

【中小零細の経営もこう変わる】

 

 私がコンサルタント業を始めた10年前、私のしていた指導は、

 

 「カイシャで一番売るのは社長。社長しかできない仕事に集中してください。会計や総務経理などやってはいけません」

 

 というものでした。

 

 しかし、AIやIoTの発達が中小零細企業に及び、一方で最低賃金の上昇や社会保険料負担の増加が進めば、

 

 飲食業や介護事業など人的に作業をはしょれない業種を除き、

 

 「社長一人でなんでもしてしまう」世界になっていくのだと思います。

 

 堀江貴文氏の近著のとおり、「99%の会社はいらない」のかもしれません。

 

 また神田昌典氏の「未来から選ばれる働き方

 

 では、「カイシャは一度死ぬ」と書かれています。

 

 そのとき中小零細企業は限りなく個人事業主化しているはずです。

 

 その大きな流れの中で、再生も「自分でやる」時代になっていくと思うのです。

 

 >目次に戻る

 

 再生に取り組む、特に自力再生でやっていく、となると経営改善までにある程度の時間を要する。その間、どうモチベーションを維持するかがカギになってくる。

 

 「何のために会社を作って 何をして稼ぐのか 経営を続けるのか」

 

 に対する明確な答えを持っているかどうか、なのである。

 

 タイトルに「愛と勇気」と書いたけど、アンパンマンのオープニングに流れる歌は二番だということをご存じだろうか。


 1番の歌詞はこんな風になっている。

「そうだ うれしいんだ 生きる 喜び
たとえ胸の傷が痛んでも
何のために生れて 何をして 生きるのか
答えられないなんて そんなのは嫌だ!
今を生きることで 熱い心燃える
だから君は行くんだ 微笑んで
そうだ うれしいんだ 生きる 喜び
たとえ胸の傷が痛んでも
ああ アンパンマン やさしい君は
行け! みんなの夢守るため

(JASRAC/003-2549-0、作詞やなせたかし、作曲三木たかし)

「何のために生れて 何をして 生きるのか
答えられないなんて そんなのは嫌だ!
今を生きることで 熱い心燃える
だから君は行くんだ 微笑んで
そうだ うれしいんだ 生きる 喜び…」

 

 いきなり子供向けのアニメを引き合いに出して恐縮だが、メンタルを維持するための肝心なポイントが簡潔に示されている。

 

 会社に置き換えれば

 

 「何のためにこの会社をつくり、何をして稼ぐのか

 答えられないなんてそんなのは嫌だ!

 今、どうやっていくかを考えることに熱い心燃える」

 

  となる。

 

 生きることとはかみ砕けば社長の家計が持つ、維持できる、ということになる。

 

 家計の見通しがつくからこそ、家庭にいる時間の長い、奥様も安心できる。(男性の社長を前提に書いています)子供たちも育っていく。だからこそ社長も働ける。

 

 会社を立て直すまでの間、華美な生活はできないが、最低限の生活ができなければ再生はおぼつかない。

 

 多くの場合、中小零細企業の再生は社長の家計の再生でもある。