コロナ禍の中、北海道神宮も参拝客はまばら。

 ヤミ金という金貸しがいる。

 おカネを貸すためには貸金業法と出資法に定めた金利を越えて貸すことはできない。しかし、銀行が貸してくれないレベルの会社になってしまうと商工ローンなどノンバンクという存在もほとんど消え去った今(2020年)、どうしても借りたい、となると法定金利などという概念を持たない、いわゆるヤミ金に一足飛びに接点を持つことになる。

 ヤミ金は反社会的勢力が運営していることが多く、暴力団のいいシノギになっているという。

 あるヤミ金からほんの50万円ほど借りるとする。トイチ(10日で金利1割)で借りれば1か月経つと67万円近くに借入は膨らむ。こうなってくると金利を払うのが精一杯で元金はなかなか減らなくなる。こうして金額が膨らんでくると、最初のヤミ金業者は、「ウチではもう貸せない」と言い出す。それは困る、と借り手が言うと、

 「ではもうちょっと貸してくれる別の業者を紹介するよ」と言ってその業者は姿を消す。

 …もちろん、これらの業者は裏で結託しており、利息を吸い上げながら借入残を増やし、株式に譲渡担保を付けたり実印を預かったりする。要するに骨の髄まで吸い尽くすのだ。

 あるクライアントの件でヤミ金業者が作った契約書を見たことがあるがそれはそれはしっかり作ってあった。

 会社の乗っ取りという流れになるとこのように契約書を作りながら攻めてくることもあるがそうでなければ、本名も名乗らず、携帯電話番号だけを教え、現金の受け渡しを上手く行って跡を残さない手合いが多い。

 これらヤミ金業者が最も嫌がるのは前科がつくこと。したがって証拠になりそうなものは残さない。 

 ヤミ金にひっかかってしまったら当事者だけではとても太刀打ちできない。相手は百戦錬磨。塀の向こう側に落ちるかどうか、常に考えながらぎりぎりのところで「仕事」をしている。ヤミ金がらみの事案を解決しようと思えばまずは弁護士に委任し、さらに弁護士を通じて警察との連携が必要になる。警察に登場してもらうのはさきに述べたようにヤミ金にとって一番嫌なことは「前科がつく」ことだからだ。

 ヤミ金は人を恐怖で操る。弁護士なんて入れたらどうなるかわかってるのか?というようなことも言ってくる。会社や家族に危害を加える「ような」ことも言う。
 
 脅しや身体的に傷をつけることを実際にやってしまうと、恐喝や傷害でそれこそしょっ引かれる。前科があれば何かあればすぐ取り調べを受けることにもなる。そのような意味でギリギリのところで仕事をしているのだ。

 まずはヤミ金には近づかないこと。ヤミ金からカネを借りて会社が立ち直った、というのは聞いたことがない。もしヤミ金と接点ができてしまったらできるだけ早く弁護士を入れ、すぐに弁済をすべて止める事だ。高い金利をつけて貸すことは貸すこと自体が違法になるので元金も含めて返す必要はない。

 

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