商売柄、いろいろな方のご相談を受けます。
よくあるのは、「M&Aしたい(自社を売りたい)」というもの。
ここで会社の中身をよく見なければなりません。M&Aとは会社の売買です。シビアな言い方ですが値段がつくかどうかが最初の鍵にになります。
「自社を売りたい」という動機もよくみなければなりません。「経営が苦しい、後継者もいないしいっそ売り払って楽になりたい…」という隠れた動機がある場合が多いのです。
話戻って、簡単なデューデリジェンス(事業評価)を行い、「これなら値が付く」と判断されれば買い手探しに入ります。値が付くレベルならM&Aをてこに事業再生や事業承継も達成される可能性が高いと思います。
また「値が付かない」「追い銭をもらっても引き取り手はいないのでは」というケースもあります。理由は収益力が弱い、過去の赤字により借入過大となっている、経営者が高齢に差し掛かっていて買った後の事業の引継ぎに時間の余裕がない、などさまざまです。そうなるとM&Aというよりは事業再生をまずくぐってから…ということになります。
収益力が弱ければ利益がでるように改善しなければなりません。
債務過大なら債務を切り離す、あるいは債務を減らす手立てをとらなければなりません。
そもそも買い手が「おカネを出してもそのカイシャ(その事業)が欲しい」と考えるのはどんなときでしょう。それを裏返せば、「お値ごろで買ってすぐに収益貢献してくれる」が一番売れやすい、と解ると思います。失礼ながら中古車に例えると大幅な修理を加えないと走れないクルマより、買ってすぐ走れるものの方に目が行くはずです。
しかしながら売り企業に問題がありそのまま売れない場合でも全くM&Aできない、というわけでもありません。詳しくは次項で。
「がんばれ経営者!ひとりでもできる事業再生ノウハウ」
「できる、できるよ。必ずできる」