ジョニー・ウィンター、モーズ・アリソン、吉田栄作 | 「Nothing But The Blues」 By 山本慎也

「Nothing But The Blues」 By 山本慎也

日本語ブルーズを歌っています。ライヴ、音楽、執筆文を掲載した雑誌、日本文学、プロレス、日々のことなどを、不定期に綴ります。

先週は、色々とアグレッシヴに遊びに行きました。

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吉田栄作主演の舞台「ローマの休日」を銀河劇場で観ました。この3人芝居、今回は再演で、前回よりもパワーアップしていました。栄ちゃん、小倉さんは前回からのコンビで、相性ばっちり。そこに、今回はAKB48所属の秋元さんが加わったのですが、これがハマっていました。
前回は「3人だけでどこまで芝居が成立するか」というところに醍醐味があったように思いましたが、今回は一歩進んで「3人だけだからこその芝居」だったように思います。

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5/25、ビルボード東京で、モーズ・アリソンさんを観ました。84歳なので、彼独特の妙味を堪能したいという期待もですが、どこまで老人力を魅せるか!、という期待もありました。その僕の変な期待に、ばっちり応えてくれました。
飄々と、淡々と。そこに、何とも言えない魅力がありました。歌詞を忘れてストップするオトボケも、ステージの演出のように決まっていました。リズム隊を従えたピアノ・トリオで、特にドラマー氏の愛のあるバックアップが微笑ましかったです。
まだまだ、新譜を期待していますよ!

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5/57、日比谷屋音で、ブルース&ソウル・カーニバルを観ました。

トップは名物司会者でもある後藤ゆうぞうさん。歌詞に笑いを交えながらも、BAND編成で気合の入ったステージでした。あの発信力は、只者ではありません。いきなり盛り上がりました。
2番手の近藤房之助さん、ブルース大会のセットリストで、ギターを弾き倒し、色気のあるシャウトも響き渡り、貫禄のステージでした。何しろ、僕は昔からの大ファンですから、大満足でした。中でも〈Same Old Blues〉には、思わず「うぐぐっ」と声が漏れました。
(ハープのコテツさんのレインメイカーのポーズを、僕は見逃しませんでしたよ。)

3番手はサニー・ランドレスさん。トリオで轟音スライド・ギターを鳴り響かせていました。どうやって弾いているんだか、全く分かりませんでした! ただ、歌ものが少なかったこともあり、こちらの集中力が最後まで持たなかった…。途中で、有名曲なんぞを挟んでくれたらなぁ、等と勝手に思ってしまいました。


トリは、待ってました、昨年に続いて2度目の来日、ジョニー・ウィンター先生!! 白人ギター・スリンガーはやや苦手な僕ですが、このお方は別格です。ここ数年の体調不良は承知の上。歌やギターに、かつてのような元気の良さは求めていません。彼の発するブルース臭、これを求めてライヴを観ました。

結果、期待以上のものでした。去年よりも良かったと思います。空間系のエフェクトの掛かったギター音は、風で音が揺れる屋音ということもあり、音の渦の中に埋もれがちでしたが、ジョニーがどんなフレーズを弾こうとしているのか、こちらも同時進行で感じられるので、たぶん頭の中で音を補填しているんでしょうね、そのフレーズはまっすぐ届きました。圧巻は、レイ・チャールズのスロー・ナンバー〈Black Jack〉。超盛り上がりました! 真っ黒でした! アリゲーター時代のシングル〈Don't Take Advantage on Me〉や、本編最後の〈It's All Over Now〉など、アップ・テンポの曲には、昨年以上に勢いがありました。

アンコールは、ファイヤーバードを抱えて〈Highway 61 Revisited〉と〈Dust My Broom〉でスライド大会。特に後者は出演者総出のセッションでしたが、ジョニーは他の出演者にソロを廻す気はないのかというくらい、気持ちが入っていました。

「Nothing But The Blues」 By 山本慎也-ジョニー!


さて、来年は誰が来るだろう?
気が早いですが、今から楽しみです!

何はともあれ、無事に開催されますように…。