恐らく今日の新聞記事を読まれていると思いますが、Open AIのAIエージェントが豪州政府関連サーバーに侵入したようです。関連するBBCの記事の日本語版を読むと最後に、

 

豪シドニー大学のAI規制・政策担当上級研究員であるロブ・ニコルズ博士はBBCに対し、「ハギングフェイス事件は、AIエージェントが『行儀よく振る舞わなかった』場合に何が起こり得るかを示した」と述べた。

AIエージェントには通常、目的と一連のパラメータが設定されたタスクが与えられるが、「問題は、エージェントは人間ではないという点だ」と、ニコルズ博士は指摘。「(AI)エージェントにタスクを与えると、そのエージェントにとって最も重要なのは、設定されたタスクを達成することであり、ルールは目的よりも二次的な問題になりがちだ。そこに問題が生じる」と述べた。

 

と書かれており、【AI制御不能リスク】何が「暴走」か?で述べた話と整合しています。

 

なお、このBBCの記事は翻訳記事と微妙に異なり、例えば次の文章は翻訳記事には入っていません。

 

It has also emerged that OpenAI's systems tried, and failed, to hack a digital library at the University of New Mexico in May, according to Transluce, a not-for-profit AI research lab.

 

It said the systems also attempted to hack Data USA, a repository of public government data that same month. This also failed.

 

上(↑)の紫文字の部分の原文もそれに先行する

 

豪ニューサウスウェールズ大学サイバーセキュリティー研究所の上級講師であるハモンド・ピアース博士はBBCに、「こうした種類の攻撃は今後も発生し続けるだろう。その深刻度と頻度は増していくはずだ」と語った。

 

に対応する原文がありますが、

Dr Hammond Pearce, senior lecturer at the University of NSW Institute for Cyber Security, told the BBC that though this is the first known incident where AI agents have chosen to breach a government body of their own volition, there'll be more to come.

"I expect that these kinds of attacks will keep occurring," he said, adding that they would likely "grow in severity and in frequency".

"I do hope that this incident does start ringing alarm bells in governments around the world."

 

その後はHugging Face事件(注)について一般論を述べるにとどまっています。独自取材記事部分なのでしょうか?

注:【AI制御不能リスク】という独立した項目にしました参照。

 

なお、英文記事の末尾に「ドイツのウェブサイトを乗っ取った」という記事が出ていますが、内容はOpenAIのAIエージェント等がドイツのプログラマーサイトを「板」にして、発見を回避する問題等について15,000ものやり取り(投稿)を行っていた(注)というものです。

注:"The report is from a group called Nightingale Collective and claims that in May OpenAI's agents started using DseWiki as their own message board, shared tips on how to avoid being detected and made 15,000 edits to it."

 

まだまだ強烈なダメージや損失が発生するようなものは出ていませんが、今後もこの手のハッキング事象は確かに増えてゆくと考えられるのと、某国等は諜報活動の一環としてSigint、Humint、Osint,Imagint等の他に、機密サーバー関連の人間を取り巻く情報をハックして、成りすましで侵入するような"AI Spy"として育成(教育)していると考えるのが相当(現実的)だと思うので、今後もネタとして使えそうですね。