このブログをご覧になっている方に対して、基本的なご案内をしていないことに気が付きましたので、今更ですが、次の通り解説いたします。
1.フリー(無料)C++コンパイラー(またはIDE)
(1)Microsoft Visual Studio Community Edition
矢張りご本家を無視するわけにはいかないでしょう。Visual StudioはC++のみならず(というかC++はむしろ今ではマイナーかな)、MSの今日を築いたVisual Basic、現代的なOOPプログラミングを可能とするC#やPython、XMAL等の豊富な開発言語やIDEがあります。私もC++を落として触ってみたのですが、基本的にWin32SDKプログラムの開発に必要なツールはすべてあるのですが、極めて複雑なプロジェクト、ソリューション管理があり、ファイルやフォールダーの構成もお任せでユーザーが勝手にいじれない領域が多いので、正直「アマチュア、小規模開発をホビーとして楽しむユーザー」には(IDEと同じく)重すぎます。
将来職業としてプログラミングを学ぶ方や、きっちりとした知見を備えたい、という方にはお勧めです。
これもDelphiご本家の立派なIDEで、CommunityEditionはフリーという言葉につられて定年と共にダウンロードしたのですが、
・何しろWYSWYGのIDEが簡単そうな印象を与えますが、大規模開発やクロス開発やらが可能なIDEで、私が持っていたBorland C++ Buiilder 5の10倍以上複雑なので、趣味プログラマーでは使いこなせないのではないか、と思います。
・次にコンパイル時に時々メモリーエラーを起こし、その抜本的解決法が明確でなく、webで調べた対処では一時復旧しますが、矢張り同様の障害が再発して使用を断念しました。
・更に一番大きな問題として、「フリーは一年だけ」で一年たつと有償版を買わない限り使えなくなりますので、今まで開発してきたものがパァになります。
ということで、これから学習しようという方や趣味でチョチョッとプログラミングで遊びたい方には以上の二つのIDEは過剰であると言えます。
(3)Dev-C++
研究者がGNUというOSの為に開発したコンパイラー群をGNU Compiler Collection(GCC)といい、そのWindows移植版であるMinGW(TDM-GCC9.2.0の32bitおよび64bitコンパイラー)のライセンスで、Delphiで書かれたIDEがDev-C++(だそう)です。
実はこれ、気にはなっていても使う必然性が無かったので触ったこともありませんでしたが、今日のブログを書く都合で本日ダウンロードしてチェックしました。
Wikiには「ルック・アンド・フィールは広く普及しているMicrosoft Visual Studioと似ている」と書かれていますが、私には(Delphiで書かれ、アイコンデザインを含め)BCCDevによく似ているな、という印象です。使い勝手も趣味プログラマー的に軽く、「新規」でプログラムタイプを選ぶとスケルトンを提供されるところも親切です。しかしリソース関係ツールがなく、基本的に以下のBCC5.5に提供されているIDEと同じく、「コードは全てユーザーが書く」タイプのものです。
Dev-C++の最大の弱点は「ダウンロードして、インストールする際に日本語を選んで進むと完全文字化けで操作できない」ことです。最初にインストールした時にこの罠にはまり、一旦ア人ストールして「英語」でインストールしなおしました。しかし、「英語で一向にかまわない。やはりGCCを使ってみたい。」という方にはお勧めです。(個人的には豊富なDelphi(?)の付帯アイコンや、テンプレートが参考になります。)
(4)Borland C++ Ver 5.5.1 (bcc32.exe)
言わずと知れた旧ボーランドが2000年にフリーで公開したC++コンパイラーです。軽くて、小さくて、速いので今でも(他のコンパイラーを使う必要が無い場合は)私は使っています。しかし、20年前のコンパイラーなので新しいライブラリーや、Clang等新しいC++規格やウィンドウ機能に対応しておらず、エラーでコンパイル不能になる場合があります。そのような場合は利用を断念し、次の(5)を利用することをお勧めします。
英語サイトではいまだに"Borland C++ Compiler"で探すと多くのダウンロードサイトがありますが、日本語では東京電機大学のサイトから「本体」と書かれたリンクでダウンロード(freecommandlinetools2.exe)することができます。
(5)Embarcadero C++ Ver 7.3 (bcc32c.exe)
旧ボーランドが売られ、現在その財産を承継しているのがEmbarcadero社で、上記(4)をClang対応したアップデート版がフリーでダウンロードできます。ドキュメント関連がやや混乱していたりもしますが、最新のC++で新しいライブラリー等を利用することが可能です。
しかし、上記(4)、(5)は基本的にDOSベースのコマンドラインツールなので、Windows10でいちいちDOS窓を開いて手でコマンドを打つなどは現在非現実的であり、Windowsで動くIDEが絶対に必要です。ということで、以下にそれぞれのIDEについて紹介します。
2.bcc32のIDEやサポートツール等
2000年にbcc32が公表されると、そのコマンドラインツールの使い辛さを払拭するようなIDEやツールが続々と発表されました。
これはIDEではなく、BCC5.5のbinフォールダーへのパス設定プログラムです。
これはBCC5.5専用のだいぶ手の込んだIDEで、BCC5.5も同梱されているという親切設計です。エディターはFootyというカスタムコントロールを使っていて、Dev-C++のようにHelloWorld!のプログラムスケルトンも提供されます。
私も一度ダウンロードして触ってみましたが、「コードは全てユーザーが書く」IDEであること、既にBCC Developerを使っていたことから、切り替えるまでにはいきませんでした。
(3)BCC Develper
Vectorのみならず、製作者ご本人のHPからもダウンロードできます。
私はこのソフトに非常に恩義があり、BCCForm以降すべてのツール等はBCC Developerで開発し、現在もbcc32を使う場合はこれを使っています。まずエディターが非常に使いやすいこと、コンパイル、ビルドの設定やオプション設定が分かりやすく、丁寧に通られていること、外部プログラムやコマンド、マクロ等の使用可能であり、自分で作ったヘルプ等外部ヘルプも使えます。
一応(開発された時期から)bcc32専用ですが、「ツール」-「環境設定」-「コンパイラー」でコンパイラーを選択する際、「ファイルの種類」が"bcc32.exe"のみになっていてbcc32c.exeがダイアログに現れませんが、委細構わず「ファイル名」のところに"bcc32c.exe"と入力すればbcc32c.exeも使えるようです。
Windows10になってから、カーソルが消える現象が経験されましたが、これはWindows10の「設定」-「時刻と言語」-「言語」-「(優先する言語の)日本語(をクリックすると現れる)オプション」-「(下の方の)Microsoft IME(をクリックすると現れる)オプション」-「全般」-「(下の方の)以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」をオンにすると消えるようです。
(4)BCC Form and BCCSkelton(本ブログのテーマで、Vectorからダウンロードします)
2000年にBCC5.5が公開されて、BCC Developerと巡り合い、本プログラム(というよりツールとライブラリーです)をコツコツと作ってきました。
BCC Developerの三浦さんに連絡を取り、嫁入りしてリソース面を担当し、指輪ならぬギア型のアイコンをいただきました。一応BCF EditorやBCC Makerも同梱し、単独使用も可能ですが、BCC Developerとの相性は抜群です。
なお、今日までBCC Developerはbcc32.exeしか対応していない、と思い込んでいたのですが、↑に書いたようにbcc32c.exeをコンパイラーに指定できるようなので、これでbcc32c.exeを使った開発も可能と考えますが、BCC Develperはbcc32.exeのオプションを設定しますので、互換性のない-3~6、-H、-Q、-W(WC、WD等)がエラーとなります。手作業で*.makファイルを修正する必要がありますが、BatchGood.exeを「外部プログラム」に登録して実行すればBCC Develperの統合環境をエンジョイしながらbcc32c.exeを使うことができるでしょう。
少なくともBatchGoodを持つBCCForm and BCCSkelotnはbcc32c.exeを対象にした初めてのツールではないか、と自負しています。
以上の他に色々なツールもあります。色々なものを試し、ご自身の目的に最もフィットした環境を選んでいってください。
