2013年秋 花笑さんは、江の島線の
とある駅のほど近くにある、その街の
公共施設のレンタルスペースに居た。
花笑さんは、おちょう先生のスクール
で、セラピストを目指す人のための
上級者向けコースを無事、修了して
最後に課題となっているクライアント
20人へのセッション実習を開始した。
洋一は、その最初のクライアントと
して、テーブルを挟んで、花笑さんと
向き合う形で、座っていた。
花笑さんから、セッションの説明が
最初にあった。
「まず、肩の力をぬいて、からだを
リラックスしてください」
「目を閉じて、大きく息を吸って、
ゆっくり、吐いてください」
部屋の明かりをおとして、セッション
が、始まった。
「これから、洋一さんの5年後の自分
が居る場所に移動します」
「10数えます。階段をくだって
前に見える扉をあけると、明るい
外の景色が見え、先に見える建物
に入ります」
「入ったら、ホールの先に5つある
扉のうち、好きなのを選らんで
開けてください」
「そこから、洋一さんの5年後の世界
が、見えてきます」
洋一は自分の5年後の姿を、花笑さん
に伝え、その中に自分が望んでいる
こと、進む道が見えてきたことが、
とても嬉しかった。
最後は、最初に移動したみちを戻って
レンタルスペースの部屋のテーブルの
前に戻ってきた。
洋一にとって、何か、清々しい感じが
こころに残った。
花笑さんは、行った20人のセッション
のレポートをおちょう先生に提出、
翌年初め、無事、セラピストの認定証
を、おちょう先生から授与され、
晴れて、セラピストとしてのスタートを
きり、想いを定めて、一年足らずで、
新しい一歩を踏み出した。
花笑さんは、学生時代、社会学部で
児童福祉を専攻、養護施設などでの
実習などをしながら、もともと、
関心のあったカウンセリングに
ついて、あつい想いを持ち続けて
いた。
学生時代からの想いが、いま、
実を結び、新しい生活が始まった。