かっこ悪い思い出が、

宝物だと知った日

 

こんにちは。

40代、共働きで2児を育てる母親Juneです。

 

前回前々回と書いた事実婚の夫が会社を辞めた話。

ひっぱります。

 

彼の「最後の出社日」の少し前のこと。

あの人が会社を辞めたら、もう一生会うことはないんだなあと、

夜中にひとり、感傷にひたっていました。

すると、ふとつけたテレビから、石崎ひゅーいさんという

シンガーソングライターの、

失恋を描いた「ピリオド」という曲が流れてきた。

 

「あれは本当の恋だった まるで夢を見ているみたいだった

だから悲しい歌にならないように 誰もが羨むような素敵な結末を探した」

「ああ 僕はまだ 繋いだ手の ぬくもりも優しさも忘れられずに」

「今、春の嵐の中を 一人で歩く強さがほしいよ 青空を蹴り飛ばしてでも
君を最後の恋にできるような そんな勇敢な戦士だったら」
「君を探せないように 情けない夢を見ないように 思い出をおもいだせぬように
忘れることさえも忘れられるように 髪を短くして 部屋も借りて

君の面影をまるごと捨てたんだけど 春の嵐の中で 今にも消えて失くなりそうだよ」

 

もう、フレーズのひとつ、ひとつが胸に響いて、思いがあふれてきました。

 

太陽星座さそり座、月星座おうし座の女の心の中にある

倉庫には、大量の恋の思い出がストックしてあります。

このとき、次々とあふれてきたのは、

かっこ悪い恋の思い出たち。

 

 

10年以上も前、ふたりで住んでいた家から元夫が引っ越した日のこと。

「置いて行かれるのはさみしいから、先に出ていきたい」と言った元夫。

彼の引っ越しのトラックが来て、彼の荷物を持って行ったら、

部屋が急にがらんとして、あせったわたし。

なによりも舞った埃の量がすごくて、このままでは

ここで寝られないと判断したわたしは、

文京区にあるスパ施設に駆け込みました。

仮眠室のベッドは空いていなくて、

おじさんが寝ているベッドとベッドの間に寝ながら、

こんな悲しい思いをするのは、もう最後にしようと思った。

(今思えば、そんなときくらい、高級ホテルのバーで飲んで、ついでに一泊してしまえ!!

って感じですよね)

でもあれから、何度も泣いて、そのたびにこんな思いをするのは最後にしようと

思いながら、性懲りもなく恋をしてきたわたし。

 

元夫との恋ではないけれど、

浮気相手の女の会社まで出向き、通用口で待ち伏せしていたら、

向こうから「Juneさんですよね。写真で知ってます」と話しかけられ、

一緒に京王線で新宿まで帰る道すがら、

彼女との話で浮気相手だったのは自分だったと知り、呆然としたわたし。

電話がつながらない彼にやきもきし、夜中にタクシーをとばして

新宿から横浜まで乗り込んだわたし。

彼と別れ話をし、泣きながら彼のアパートを飛び出して、

頭を冷やしてもどったら、玄関先にロングブーツが横倒しになっていて、

びっくりして近くのセブンイレブンの前で写真を破り捨てたわたし。

(まだまだありますが、割愛)

かっこ悪すぎる! かっこ悪すぎて、笑ってしまう、過去の自分たち。

 

ひゅーいさんの歌を聴きながら、ああ、そんな自分がいたから、

今の自分があるんだなあって、素直に思えました。

情けない、かっこ悪い恋の思い出は、

実は大切な宝物だったと、はじめて心から思ったのです。

 

恋って、必死になって、ときにひとりよがりで、かっこ悪いものだと思うのです。

だけど、だからこそ、一生懸命に恋している人たちを応援したい。

うまくいく恋もうまくいかない恋も、時がたてばかけがえのない財産です。

 

だから、現在進行中で苦しい恋をしている人たちに、なぐさめではない

心からの「大丈夫!」を届けたいと強く思った夜でした。