参考のため企業が投資を増やした場合のみについて示してみます。企業の活動と社会の在り方に目を向けると、「企業の投資の増加」→「国民所得の増加」→「消費の増加」→
「国民所得の増加」→「消費の増加」→・・・・
といった繰り返しとなって行きます。消費の増加が2回目以降の投資の増加に匹敵するわけです。そこで上のような「企業の投資の増加」dIが生じたとき、所得の増加があった際すべてを消費するとは限らないので消費に振り向けられる割合をc、とすると、所得の増加は最初のdIに始まり、消費の増加はc・dIが2回目の投資の増加になり所得の増加dYになるわけです。これを繰り返すことになり、それを合計すると、
dY=dI(1+c+c*c+c*c*c+・・・・・)
となり、この合計は、上の式にcを掛けると
cdY=dI( c+c*c+c*c*c+・・・・・・)
上の2式から引き算をすると、
(1-c)dY=dI
となり、最終的に、
dY=dI/(1-c)
となるわけです。他の場合も似たような感じにできます。