ある意味メディア関係において既にインフレの必要性について述べられているのでそれについてはここでは省略します。ここでは消費者視点を少し考慮に入れて考えることにします。なぜかというと、もちろん、成長がマイナスでは絶対だめですが、変化しない状態、この30年この状態でしたが、成長している状態だと景気が良くなり賃金も上昇してインフレも生ずるものです。もちろん、スタグフレーションと言って不況でインフレという状態もありますが、ここではこれは省略しておきます。私が知る限りなぜインフレの必要性について述べている本をあまりみたことはないのですが、そのぐらいデフレは特殊な状態であることは確かだと思います。以上のことから消費の見地からは物価の観点だけなら変化なしと上昇どちらでもいいことになりかねない感じです。あくまでも物価のみです。しかし視点を少し変えてその中に景気変動を考慮に入れると、いずれの場合でも景気変動は起きて当然かと思います。そうすると景気をコントロールすることの必要性が出てきます。専門的な話になりますが、「乗数効果」という増加させた額より所得を増加させる方法がありますが、例えば、投資を増やすと

   所得の増加=投資の増加/(1-限界消費性向)

という式があります。限界消費性向とは所得の増加のうち消費に振り向けられる割合ですが、この数値は0より大きく1より小さい値と考えられます。上の式から1に近くなればなるほど所得の増加が大きくなることになります。限界消費性向の性質を考えると物価が上昇している方が高くなりやすいはずです。つまり、インフレの方が景気をコントロールし易いと言えるでしょう。他の公共投資や減税でも同じことが言えます。そのぐらいこのことでインフレの方がいいということになります。もちろん、メディア関係で言われている通り経済が成長している状態の説明の方で十分かと思いますが。この導き方については経済学の本に出てくるものなので計量経済学が出てくる本ならばのっているかもしれません。場合によっては検索で調べるのもいいかもしれません。