最初から読んでみたい方はこちら


ぽってりフラワーあらすじぽってりフラワー

時は大婚活時代!
このブログの著者「優(過去)」はありったけの夢と無謀を掻き集めて荒波へ飛び出した!
「プレ花嫁に、私はなる!」

幸い「俺たちの戦いはこれからだ!次回作にご期待ください」ENDに至ることなく、様々な人に巡り合いました。
時にメールし、時に会い、時に己を磨く中、30代前半、大手企業で安心安定男性と出会い、結婚の予感を感じ取ります。
清いお付き合いを開始した頃、突如現れたダークホースこと安室透(仮名/どちらかというと雰囲気工藤新一だし中身黒羽快斗なんですが年齢に合わせました考えずに感じて下さい)。
ベイビーフェイス30手前。
結婚相談所で出会ってなければ詐欺を疑うレベルのそつのないリードとエスコート。
男性の平均身長より低いが、目線が近くなり好みの顔も近い。
平均年収だがホワイト寄り安定職。
途中で他の女性と成婚するだろうと思いきや、次の約束が取り付けられ続けて早数ヶ月。
しかし安室透なのでポーカーフェイスゆえ脈があるかどうかさっぱり不明!
「どういうことだ説明しろ苗木!」と下唇噛み締める優(過去)。


デートの回数も様子見の範疇を超え、
結婚相手として安定とも言える30代前半男性にするのか、
胸のうちが見えない安室透にするのか、
それとも新たな出会いにかけるのか、

決断のときが、迫っておりました。




「お金はもつから、次のレストランは俺に決めさせて」

そう言われてから数週間後、都内某所。
私は紙袋を握り締めて、案内されたレストランを見上げました。

お店の名前も、サイトも事前に教えてもらいした。
ただ、奢りということで金額を見るのがはばかれ、私は待ち合わせ場所と、良さそうな鉄板焼き処くらいしかわかってませんでした。

私の心の声「待って。こんなお店入ったことない」

今まで足を踏み入れたことのない高層ビル。
豪奢な内装、恭しい給仕、眺めのいい席。
目の前には、大きな鉄板とにこやかなシェフ。

利用したことはありませんでしたが、
ここがいわゆる高級店だと場の空気から嫌でも察しました。

私の心の声「だから待ってガーン

直近の一番高い買い物は相談所の入会金
日常で一番高くつくのはオタク活動(お布施と薄い本と行動費)
心のホームは池袋星根っからのZ組・埼玉県民の私にとって、
A・B組レベルの高級店は心の覚悟なしでは立ち向かえない大御殿ガーン

翔んで埼玉翔んで埼玉
400円
Amazon


「料理はコースで予約してるんだ。飲み物は何がいい?何でもいいよ」

意地で笑顔で飲み物を頼み終えると、「お花摘んできます♡ニコニコと緊張MAXゆえにトイレに退避した私。一旦心の立て直しをしたかったのです。
そして……二度目のお手洗いに行く際、やたらお店の方から案内の声がかかり、先程行ったから場所わかるのにと不思議に思いながら、到着して理解した悲しい真実。先程入った右手の1人用トイレには、紳士のおじさまの絵が描かれておりました(予告回収)。
きっとお酒のせいだけではないのだろう、顔のほてりを感じながら、婦人が出迎える左手の1人用トイレに入ったのでした…。

まあ、入籍日に記念に同店で食事をして飲み過ぎ、
その後近辺でぶらつく予定のはずが、
私がぐにゃぐにゃ酔っ払い星人と化し
家に直帰することとなったため、
恥ずかしいことばっかしてるなと気づいた優はSANチェック1/1d10です。
夫婦になって早々に妻の介護をさせてしまったぜウインクごめんねウインク



初めて見る鉄板焼きにひえーガーンと心の中で慄きつつ、料理を口に運んで圧倒的美味…!お願いと味わいながら、
彼との会話を楽しんでいました。

「お祝いごととかに、家族でこのお店に来てたんだ」
「そうだったんだ」

思い入れのあるお店なんだなあとしみじみしていましたが、シェフの方、したり顔で「一年に一回くらいたまにはね」と相槌打ってくれたものの、さすがにまだ会って数回目ですとは口が裂けても言えなかった。

家族の話になり、家族の誕生日の話を私がし、タイミング的にお互いの誕生日を知る流れとなりました。
「そう言えば、安室さん(仮名)の誕生日は?」
「あー……えーと、実は今日

なんて?

「い、い、言ってよー!えーん 聞く流れじゃなかったら知らないまま終わってたじゃん!」
「いやあ……」
「お誕生日おめでとうございます!!」
「ありがとうございます」

そんなハプニングを挟みながら、
やはり何か進展を見せる気配なく、
楽しい食事が終わりました。


帰り道、「誕生日プレゼントとして用意したわけじゃないんだけど…今までのお礼に」とお菓子を渡しました。
今まで、本当に楽しい時間を過ごさせてもらったので、今日が最後になったとしても、感謝の気持ちを渡したかったのです。

「ねえ、どうして私と会ってくれるの?」
「えっ……、……優さんは?」
「わかるよね?」
「……」
「最初は詐欺か壺を買わせるんじゃないかと思ったんだけど」
「壺は売らないよ!?笑」
詐欺はされるのか……。

そんなやり取りののち、彼が真剣交際を申し出てくれました。
彼の気持ちにお礼を言い、「言わなきゃいけないことがあるんだ」と切り出しました。


「私、子供を産めない」


持病があること、日常生活に問題はないけど通院が必要なこと、主治医から母子の危険があるため妊娠・出産にドクターストップがかけられていることを話しました。

子供が産めない点は、婚活においてネックになることは理解していました。
男性、女性問わず、婚活している人の多くは、自分の子供が欲しいはずです。若い人なら尚更。

だからこそ、婚活中、3回目までに続けるかお別れするかをシビアに検討していましたし、真剣交際に進むなら事前にこの話を伝えることを心に決めていました。

自分の子供が欲しいというなら、それ以上相手の時間を取ってはいけない。
そう思っていたんです。



そして、彼は、





「構わないよ」


当たり前のように、言いました。

「二人だけで暮らしてもいいし、今は特別養子縁組もある。こういう問題で一番きついのは女性の優さんだろうから、優さんの希望で決めていくのがいいと思う」

なんて事のないように言う彼に、ありがとうと告げた声は掠れていました。


自然なエスコートをすごいと言えば普通だよと言い、
いつも待ち合わせに早く着いているのに、私が遅れても、俺が早く着きたい性分だからと怒ることなく、
謎をパッと解いた私に、やっぱ頭いいな〜、すごいと素直に感嘆してくれて。

顔はもちろん好きですが(正直)、

最初出会った頃から、
不思議と取り繕うことなく自然体で付き合える彼に、
惹かれない理由はありませんでした。


彼にここまで言わせて、何も言わないのは女がすたります。
私は笑いました。

「こちらこそ、喜んで。私も貴方が好きです」




家庭を優先させたくても、仕事を選ばなければいけないこともあったり、
家事も育児も分担、
しかも子供が産めないので、
一般の男性より絶対苦労をさせます。

でも、この人だったら。
苦労をかけても、きっと一緒に乗り越えてくれる。

大変な思いをさせるけど、
その代わり、絶対に幸せにするし、私は幸せになる。


そんな人と出会えて、よかったです。















//////////////////
マカロンいい話な雰囲気をぶち壊すおまけマカロン

旦那さんはツチノコでありSSRです。私の婚活体験話は参考にならない。
一体何を食ってきたんだこの人と思ってます。普通じゃない。
私生活ではいい彼氏さんであり旦那さんなんですけど、めちゃくちゃリアリストゆえに職場で「心に悪魔を飼ってる」と言われたレベルのやべー奴です。私生活では害はないのでまあいいんですけど(2回目)。その話された時に一言も否定せずに爆笑して怒られたのが私なので割とどっこいどっこい。でも旦那さん「天使は夏休み中なだけだから!」ってそれ何もフォローになってないです。
ちなみに豪華なディナーを奢れたの、旦那さんが本職以外に資産運用してて、実は相談所で書かれていた年収にプラスアルファがあったからです!道理で羽振りがいいと思ったわ!!


2択で迷ってごめんなさいした人のことを考えたことはありますが、迷惑をかけるのが申し訳ないくらい普通にいい人だったので、いい人を見つけて、幸せになってくれればなと思います。
第一印象優しそうとは言われるけど、わがままだし、頑固だし、心にじゃじゃ馬を飼う私には勿体ない。


定年まで働けるとは思っているのですけど、
老後になったら何があってもおかしくないと思ってて。途中も何かあったらわんちゃん。
旦那さんなら、一人になっても生きていけるだろうという安心感もあって。
迷惑をかけられそう、が、決め手になるなんて、思いもしなかったですけどね。笑