新約聖書 ローマの信徒への手紙 8章38~39節 (新共同訳)
「わたしは確信しています。死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです。」

5月3日から4泊5日で結婚式司式のためにトマムに行った時のこと…

5日、子どもの日の早朝、祈るために散歩に出ました。
朝早いので外を歩いている人はほとんどいません。
鳥の声を聞きながら、神様に心を向けつつ森に囲まれた道路を下っていきました。

道路を隔てる幅1メートルほどの中央分離帯をかけてくるリスとすれ違いました。
シカに会えないかなあ…
とか思いながらリゾート入り口の脇を過ぎ、さらに奥の今は使われなくなったスキーリフトのある所までいきました。
そして、使われなくなったゲレンデに目を向けると…

いました!

数頭のシカがのんびり草を食べていました。
口笛を吹くとこっちに顔を向け、「なんの用?」という感じで見てきました。

感謝、感謝… と思いながら道をホテルに向かって戻っていきました。
同じ道を戻るのは面白くないので、途中から舗装路から森の遊歩道に通じる道に曲がっていきました。
少し開けた場所を通るなだらかな登りの道を歩いていくと、雲海テラスに向かうリフトの近くの舗装路に出ます。
そこを森に沿って数メートル行くと、また森に入る道があります。
舗装路から階段を降りると、そこから20メートルくらい先まで木製の高さ1メートルほどの橋の遊歩道が続いています。

遊歩道は数メートル間隔でジグザクにつながっていて、森の中を右に左に散策を楽しめるようになっています。
橋の終わりの方で小さな小川の上を横切ります。
そのすぐ先は上りの階段。
階段を上ればホテルに向かう遊歩道。

まずは橋の遊歩道を楽しもうと、舗装路から階段を下りて数歩歩いた時のこと。

ふと前方に目をやると、ジグザグの橋の終わりの小川の上あたりに大きな動物がいるのが見えました。
こげ茶色っぽくて、丸い大きな…

シカ? いや、タヌキかなんか…
とか思ってよく見ると、クマ!!!

ヒグマが橋の上から小川を見ていました。
そして、こちらに気が付いてこっちに顔を向けました。

「あれ?! なに?」みたいな顔でこちらを見ています。

私に緊迫感は全くなく、「数メートル先にヒグマを見るなんてスゴイ! 写メ撮ろう…」と思って携帯を出そうとして気づきました。

「そんなことしてる場合じゃない!!!!」

相手は100キロほど(そんなに大きくはありませんでした)のヒグマ。襲われたらヤバイ!

そう気づいて、さっとジグザクの橋を階段までもどりました。
そして振り返ると、クマは私を見続けていて、顔を反対側に向けると大きな体を揺らしながら階段上って森の中に消えていきました。

後で調べると、クマと遭遇した時にやってはいけないことは、パニックになって逃げること。
驚いたクマが追っかけてきて襲われるとありました。

私がのんびり「写メ撮ろうか」と考えた間が良かったのかもしれません。
いずれにしても、私は襲われませんでした。

ヒグマのこっちを見ていたあの目が、心に焼き付いています。
「なに? なんか用?」って言ってる感じの。

ホテルのフロントに伝えたら、1週間ほど遊歩道全体が閉鎖され、その間に遊歩道両脇の草がかなり広く刈り取られました。
人の気配だらけで餌になりそうなものもない道にヒグマは近づいてこないでしょう。

私にはかけがえのない体験となりました。

ヒグマもまた神様の創造された宝の存在。

傷つけあうことなしに出会えたことは本当に良かった。

ヒグマも人も神様の宝物。

自然も人も、一つ一つを敬意をもって無限に愛していける世界。

イエス・キリストが命懸けで教えてくれている世界は、そんな世界。

何にもできなくても、結果を残せなくても、失敗ばっかりしていても、
神様は言ってくださいます。

「あなたは、私のかけがえのない宝!
 誰が何を言っても、しても、あなたは宝物!
 だから、顔を上げて、あなたらしく、宝物として生きよ!
 私は、永遠にあなたの味方!
 安心して、恐れず、宝物として生きていきなさい」

かけがえのない命、
大切にし合い、愛を選んで生きていきましょう。