新約聖書 使徒言行録 8章26~30節
「さて、主の天使はフィリポに、『ここをたって南に向かい、エルサレムからガザへ下る道に行け』と言った。そこは寂しい道である。フィリポはすぐ出かけて行った。折から、エチオピアの女王カンダケの高官で、女王の全財産の管理をしていたエチオピア人の宦官が、エルサレムに礼拝に来て、帰る途中であった。彼は、馬車に乗って預言者イザヤの書を朗読していた。すると、“霊”がフィリポに、『追いかけて、あの馬車と一緒に行け』と言った。フィリポが走り寄ると、預言者イザヤの書を朗読しているのが聞こえたので、『読んでいることがお分かりになりますか』と言った。宦官は、『手引きしてくれる人がなければ、どうして分かりましょう』と言い、馬車に乗ってそばに座るようにフィリポに頼んだ。」

フィリポは、イエス・キリストが復活した後にエルサレムに生まれた弟子たちの群れのお世話係として選ばれた人物でした。
選考基準は、「信仰と聖霊に満ちていること」(6章5節)でした。
7人が選ばれ、食べ物の分配などの仕事をしました。
しかし、やがてエルサレムでイエス・キリストを信じる者たちに対する大迫害が起こり、たくさんの人がエルサレムから脱出しなければならなくなります。
フィリポも脱出しました。

とてもつらく苦しい出来事でした。

しかし、聖霊(神様の霊)は、逃亡していくミジメなフィリポをワクワクするような人生に導いていかれます。

「聖霊」とは、神様が私たちと一緒に生きるために送ってくださる“霊”。
一緒に生きて下さる目的は一つ。
復活したイエス・キリストが言っておられます。

「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」(1章8節)

どこでどんな状態にあっても、そこでイエス・キリストの証人とされます。

イエス・キリストは,無限の神様の愛と、人が神様の宝物として創造されたことを命がけで現わしてくださいました。

聖霊は、私たちが永遠で無限の神様の愛を知り、お互いを宝物として大切にして生きられるように助け導いて下さいます。

具体的に導いて下さいます。

フィリポは、当時自分たちユダヤ人と交際していなかったサマリア人の所へ行くように導かれました。
フィリポが従うと、そこで語るべきこと、するべきことを導かれ、神様の奇跡がたくさん起こされました。

その後、冒頭の聖書の箇所のように、フィリポはエルサレムからガザに下る寂しい道に行くように天使から言われます。
フィリポが従うと、ちょうどエルサレムでの礼拝を終えて帰っているアフリカのエチオピアの女王に仕える宦官(かんがん)の一向に出くわしました。
宦官は、女王に仕えるために去勢した人のこと。
去勢した人は罪びとと考えられていましたので、せっかく礼拝に行っても宦官の心のどこかには「自分は深い罪びと」という思いがあったことでしょう。

それでも、彼は神様をもっと知りたいと思って聖書の巻物を読みながら帰っていたのです。

そこにフィリポが導かれたわけです。

この後、宦官はフィリポからイエス・キリストのメッセージを知らされ、洗礼を受けて神様から無限に愛されている宝物として新しい人生を生き始めます。

人は、みんな、神様から命を与えられ、神様の宝物として神様の愛を毎日教えらるために生かされています。

あらゆることは、この目的のために存在しています。

あなたが、そしてあなたが出会わされている人が神様の宝物として生きられるように聖霊は導いて下さいます。
そのために生きようとするなら、私たちは聖霊の声を具体的に聞きながらワクワクする宝探しの人生を送っていけます。

神様(の霊)と親しく二人三脚で生きられます。

命の意味と目的をしっかり確認して、聖霊様に導かれて進んでいきましょう。

全知全能の神様の権威と力があなたのためにどんどん現わされていきます。