新約聖書 ルカによる福音書 2章10~20節
「天使は言った。『恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。『いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。』 天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、『さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではない』」と話し合った。そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。」

羊飼いたちは、星明りの照らす薄闇の中で羊の番をしていました。
すると、彼らの前に天使が突然現れ、「メシア(キリスト):人の救いのために神様が送ってくださる特別な方)」の誕生を知らせました。

天使は言いました。

「あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」

飼い葉おけの中・・・

実際、ベツレヘムの町の家畜小屋の中でマリアは出産し、赤ちゃんイエスは飼い葉おけの中に寝かされていたのです。

家畜小屋の中・・・

牧場の家畜小屋に入ってみたことがありますか?

独特のニオイがあります。

動物のニオイ、
家畜の糞尿のニオイ・・・

その真っ只中の飼い葉おけで、神様が人の救いのために送ってくださった方が眠っている…

羊飼いたちは確かめたくなりました。
みんなでベツレヘムの町に行ってみました。

羊の番もしないといけませんから、誰かが残ったのでしょう。

「オレ、行きたいんだけど、誰か残って羊たちみてくれる?」

こんな話の中で、ひょっとすると、年寄りの羊飼いが、「じゃあ、オレが見ててやるから、お前たちみんなで行ってきていいよ。これから町まで行くのはオレにはきついし…」とか言ったのでしょうか。

そんなわけで、行ける者が連れ立って町に出かけていきました。

赤ちゃんは普通、飼い葉おけで寝てはいません。
家畜小屋で寝てはいません。

だから、羊飼いたちが赤ちゃんを見つけることはそう困難でもありません。

羊飼いの仕事は「汚い卑(いや)しい仕事」だと思われ、差別されていました。
いつも羊と一緒に外にいますから、汚くもなります。
ニオイもします。

このニオイに慣れた羊飼いだからこそ、ベツレヘムの町の一つの家畜小屋の飼い葉おけを見つけることができたのです。

「汚い卑しい場所」のと真ん中にイエスはいました。
スヤスヤ眠っていました。

イエスは彼らのど真ん中で安心して眠れる赤ちゃんでした。

人がどう言おうと、あなたは神様の宝物。
あなたの状況がどうで、あなた自身がどうあれ、イエス・キリストはあなたのそばで安心して眠る方。

どうして?

全部ひっくるめて、“あなた”が宝物だから。
あなたのことをすべて知っておられる神様は、あなたと共に生きる「救い主」を送ってくださいました。

神様の全知全能と無限の愛によって、宝物として生きられますように。