新約聖書 ルカによる福音書 2章6~14節
「ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。『恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。』 すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。『いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。』」

ヨセフとマリア夫妻がベツレヘムに着いてみると、ローマ皇帝の命令に従って登録をするために故郷に帰ってきた人たちがたくさんいました。
泊まれるような場所はみんないっぱいで泊めてもらえず、やっとやっと家畜小屋の隅に泊めてもらえることになりました。
マリアはそこで出産し、赤ちゃんを布にくるんで飼い葉おけに寝かせました。

その頃、町はずれの荒れ野では羊飼いたちが羊の番をしていました。
のんびり過ごしていた彼らの前に、なんと天使が現れたのです。
暗い中に突然現れた光と天使に驚き恐れている羊飼いたちに天使が告げました。

「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」

昔から、いつか自分たちをあらゆる問題から救い出してくれる「メシア」と呼ばれる方が来られることは聞いていました。

「メシア」はヘブライ語、ギリシア語だと「キリスト」。
「(特別な働きのために)油注がれた者」という意味。

「いつか来られる」とは聞いていましたが、まさか自分たちの時代に現れ、それを天使から直接報告されるなんて思ってもいませんでした。

それも、その「特別な方」は、宮殿の豪華なベッドの上で寝ているのではなく、「布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている」というのです!

「飼い葉桶の中に寝てる!?」
 
あり得ません!

羊飼いたちが驚いていると・・・

「突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。『いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。』」

家畜小屋で家畜に囲まれ、飼い葉おけですやすや眠っている赤ちゃんイエス・・・

荒れ野では、羊飼いたちに見守られて安心して休んでいる羊たち…

そこには、命が大切にされている『平和』がありました。

「地には平和、御心に適(かな)う人にあれ。」

命を尊重して生きている人たちと共に『平和』はあります。

「心の清い人々は、幸いである、その人たちは神を見る。
 平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイによる福音書 5章8~9節)