新約聖書 ルカによる福音書 1章1~4節
「わたしたちの間で実現した事柄について、最初から目撃して御言葉のために働いた人々がわたしたちに伝えたとおりに、物語を書き連ねようと、多くの人々が既に手を着けています。そこで、敬愛するテオフィロさま、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。お受けになった教えが確実なものであることを、よく分かっていただきたいのであります。」

イエス・キリストが処刑されたのは紀元30年頃。

イスラエルの民は、信じてはいたものの「遠く」に感じていた『神様』をイエス・キリストの命がけのメッセージによって「近く」感じさせられました。
同時に、『神の国』は「いつ現れるか分からない未来の国」ではなく、「今入ることのできるリアルな国(支配)」だと知らされました。

「しかし、わたしが神の指で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ。」(11章20節〉

「神の国」は、私たちのところに「来ている」。
でも、自覚をもって見なければ見過ごしてしまう…

「そこで、イエスは言われた。『神の国は何に似ているか。何にたとえようか。それは、からし種に似ている。人がこれを取って庭に蒔くと、成長して木になり、その枝には空の鳥が巣を作る。』 また言われた。『神の国を何にたとえようか。パン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。』」 (13章18~21節)

じわじわと確実に成長していく『神の国』。

イエス・キリストは処刑されて三日後に復活し、40日にわたって弟子たちの前に現れた後、天に昇っていきました。

それから半世紀。

イエス・キリストを信じて生きている人たちがいつでもそこに戻って自分たちの信仰を確認できる「基礎」が必要…

そう感じさせられた人々がイエス・キリストに関する書物を書き著し始めました。
その流れの中で「自分がしっかりしたものを書こう」と思わされたのが、ルカ。

彼は支配者ローマの高官にもこの「うれしい話:福音(ふくいん)」を伝えようと文書を書き始めました。

「わたしたちの間で実現した事柄について、最初から目撃して御言葉のために働いた人々がわたしたちに伝えたとおりに、物語を書き連ねようと、多くの人々が既に手を着けています。そこで、敬愛するテオフィロさま、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。お受けになった教えが確実なものであることを、よく分かっていただきたいのであります。」

「神の国」はどのようなものなのか、そして、どのように私たちの生活の真っ只中に現実のものとなっていくのか、ルカが書いていきます。

「ファリサイ派の人々が、神の国はいつ来るのかと尋ねたので、イエスは答えて言われた。『神の国は、見える形では来ない。「ここにある」「あそこにある」と言えるものでもない。実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。』」 (17章20~21節)

「神の国」はわたしたちの間に広がります。
気づいていますか?

続きは明日。