旧約聖書 申命記 4章29節
「しかしあなたたちは、その所からあなたの神、主を尋ね求めねばならない。心を尽くし、魂を尽くして求めるならば、あなたは神に出会うであろう。」

かつてイスラエルの民はエジプトで奴隷状態にありました。
神様は彼らを預言者モーセを用いて救い出されました。
しかし、彼らは「神様を信じ信頼して生きる」ということがどういうことなのか学ばなければなりませんでした。

何かあるたびに自己中心的な思い(利益)を優先して神様に聞こうとしない民は、何度も何度も神様(愛)を離れて泥沼にはまり込みます。
そのたびに、どこで自分たちが間違ったのか身をもって教えられていきました。

神様は決して民を見放したりされず、ずっと導いて下さいました。
そして、今や約束の地に入ろうとしています。

モーセの役割もここまで。
ここから先は、新しい世代がモーセの後継者と共に進んでいきます。
モーセは彼らに最後のメッセージを伝えます。

それは、一言でいえば、「無限無条件の愛の神様にどうやったら“戻って行ける”か」。

「戻っていけるか」・・・

残念ながら、人は自己中心的な思いを離れることはできません。
無限に間違いや罪を繰り返していきます。

モーセはそれを知っています。
だからこそ、「戻っていく方法」を伝えたのです。
最後のメッセージとして。

冒頭の言葉は、そのメッセージ。

「しかしあなたたちは、その所からあなたの神、主を尋ね求めねばならない。心を尽くし、魂を尽くして求めるならば、あなたは神に出会うであろう。」

「その所」ってどこか?

「あなたが子や孫をもうけ、その土地に慣れて堕落し、さまざまの形の像を造り、あなたの神、主が悪と見なされることを行い、御怒りを招くならば、・・・ あなたたちは、ヨルダン川を渡って得るその土地から離されて速やかに滅び去り、そこに長く住むことは決してできない。必ず滅ぼされる。主はあなたたちを諸国の民の間に散らされ、主に追いやられて、国々で生き残る者はわずかにすぎないであろう。あなたたちはそこで、人間の手の業である、見ることも、聞くことも、食べることも、嗅ぐこともできない木や石の神々に仕えるであろう。」(25~29節)

「その所」とは、「神様を離れてしまっている場所」。

モーセは、「そこから出よ」とは言わず、はまりこんでいる「その場所」で、「しかしあなたたちは、あなたの神、主を尋ね求めねばならない。心を尽くし、魂を尽くして求めるならば、あなたは神に出会うであろう。」と告げています。

今いる場所から、神様を呼び求めましょう。

心を尽くし、魂をつくして!

あらゆるものの創造者がおられます。
神、全知全能の方、無限無条件の愛の方がすぐそばにおられます。

呼び求めるなら、モーセの約束の通りになります。

「あなたは神に出会うであろう。」

「これらすべてのことがあなたに臨む終わりの日、苦しみの時に、あなたはあなたの神、主のもとに立ち帰り、その声に聞き従う。あなたの神、主は憐れみ深い神であり、あなたを見捨てることも滅ぼすことも、あなたの先祖に誓われた契約を忘れられることもないからである。」(30~31節)