新約聖書 ルカによる福音書 8章30~33節
「イエスが、『名は何というか』とお尋ねになると、『レギオン』と言った。たくさんの悪霊がこの男に入っていたからである。そして悪霊どもは、底なしの淵へ行けという命令を自分たちに出さないようにと、イエスに願った。ところで、その辺りの山で、たくさんの豚の群れがえさをあさっていた。悪霊どもが豚の中に入る許しを願うと、イエスはお許しになった。悪霊どもはその人から出て、豚の中に入った。すると、豚の群れは崖を下って湖になだれ込み、おぼれ死んだ」

「レギオン」は、ローマ軍の1軍団のことです。
歩兵5~6000名、騎兵120名の大軍団です。

イエスの前に出て来た、墓場に裸で住んでいた男にはたくさんの悪霊が入りこんでいました。

一人一人の人間が神の宝物であることを命がけで伝えるために来られたイエス・キリストは、その生き方が全くブレません。
妥協もありません。
悪霊どもがどんな策略を用いても、イエスを脅すことも買収することもできません。

墓場の男の「悪霊を呼び寄せるような問題」を山ほど指摘しても、イエス・キリストの答えは変わりません。

「確かに、彼には弱さや問題が山ほどある。でも、彼は神の宝物。わたしは彼が宝物として生きられるようにするために来た。もうお前たちが彼をくるしめることを許さない。出ていきなさい」

神の権威を持っておられるイエスに悪霊たちは逆らえません。
何とか自分たちが勝つためには、イエスの持っている「神の権威」を使えないようにさせることしかありません。

車の免許証は、違反を繰り返せば取り消されます。
イエス・キリストに神様の命令に違反させれば、イエスの持つ神の権威を無効にできるかもしれません。
神様がイエスに託された命令は、人々に神の愛を伝えること。

イエスは、どんなに脅かされても、バカにされても、みじめな思いをさせられても、拷問を受けても、十字架に素っ裸で磔にされてさえも、神の命令に逆らうことはありませんでした。

神の愛に逆らうすべての人のために祈られました。

「イエスは言われた。『父よ、彼らをおゆるしください。自分が何をしているのか知らないのです』」(23章34節)

イエスの持つ神の権威に悪霊どもは従うしかありません。
せめて自分たちが完全な滅びの世界に追いやられないように、「豚の中にでもいさせてくれ」と願うことだけしかできませんでした。

イエスの許可を受けて、悪霊どもは男の人を離れて豚の中に入りました。

明日に続く