新約聖書 ルカによる福音書 8章27節
「イエスが陸に上がられると、この町の者で、悪霊に取りつかれている男がやって来た。この男は長い間、衣服を身に着けず、家に住まないで墓場を住まいとしていた」

長い間、衣服を身につけず、家に住まないで墓場を住まいとしていた…

舟から陸に上がったイエス・キリストのところにやって来た男。

裸で墓場に住んでいました。
他に彼の居場所はありませんでした。
まわりの人間は何とか彼をおさえようとしました。

「この人は何回も汚れた霊に取りつかれたので、鎖でつながれ、足枷をはめられて監視されていたが、それを引きちぎっては、悪霊によって荒れ野へと駆り立てられていた」(29節)

「駆り立てられていた」と書かれています。
「逆らえない強い力で追いやられる」ことです。

彼がどういう理由で悪霊を呼びこんでしまったのかは分かりません。
分かることは、彼は「悪い方に向かわせる逆らえない力」を内側にかかえこんでしまっていました。

彼も確かに神様が命を創造された宝物です。
しかし、この大切な宝物は、宝物として生きる道を完全にふさがれていました。
悲惨な状況です。

(その2に つづく)