新約聖書 使徒言行録 27章24節
「パウロ、恐れるな。あなたは皇帝の前に出頭しなければならない。神は、一緒に航海しているすべての者を、あなたにまかせてくださったのだ」

イエス・キリストのメッセージを伝えて旅を続けていた使徒パウロ。
彼はエルサレムで無実の罪でつかまり、裁判のためにローマに護送されていました。
ところが、護送する兵士や他の囚人や乗客達と一緒に乗っていた船が暴風に会います。
船が沈みそうになるので積み荷や船具までも捨てていました。
そして太陽も星も見えない暗がりの2週間・・・
人々は食べることもできず、助かる望みを失いつつありました。

そんなある夜、天使がパウロの前に立ってパウロに神様のメッセージを伝えました。
冒頭の聖書の言葉です。

「恐れるな」と天使が言っていますから、パウロも「もうダメかもしれない・・・」と思って恐れていたのでしょう。
天使の言葉に励まされたパウロはみんなの前でパンを食べて見せ、みんなにも「助かるからしっかり食事をするように」と言いました。

パウロの言葉の通り、船はだんだん陸地に近づいていました。
すると、船員達がこっそり小舟を降ろして逃げようとします。
それを見つけたパウロは、隊長と兵士たちに「あの人たちが船にとどまっていなければ、あなたがたは助からない」と言います。
小舟をつないでいた綱が切られ、船員達は逃げられませんでした。

夜が明けると、どこかの陸地の砂浜のある入江が見えてきました。
そこに進もうとすると、深みにはさまれた浅瀬に乗り上げてしまいます。

その浅瀬の両側は安全に進める深いところなのに、わざわざその間の浅いところに進んでしまったのです。(「どうしてよりにもよって・・・」ということが起こるのです!)

船首がめり込んで動かなくなり、船尾は激しい波で壊れ始めました。
すると、囚人たちが逃げることを恐れた兵士たちは、囚人たちが泳いで逃げないように殺そうとします。
しかし、隊長がそれを思いとどまらせ、船員達を用いて泳げない者も陸地にたどり着けるようにしました。
そして、「全員が無事に上陸した」のです(44節)。

あなたは神様の宝物です。
宝物として輝いて生きられる道にイエス・キリストが命がけで導いて下さっています。

その過程で、あなたを助けるはずの人が逃げ出すかもしれません。
あるいは、あなたを守るはずものが壊れていくかもしれません。

しかし、恐れないで。
神様は、必ずあなたを守り導いてくださいます。
あなたは神様の宝物です。