新約聖書 マルコによる福音書 10章52節
「そこで、イエスは言われた。『行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。』 盲人は、すぐ見えるようになり、なお道を進まれるイエスに従った」

イエスと弟子たちはエルサレムに向かっているところでした。
イエスは弟子たちに自分の身に起ころうとしていることを預言していました。

「わたしたちはエルサレムへ上って行く。人の子は祭司長たちや律法学者たちに引き渡される。彼らは死刑を宣告して異邦人に引き渡す。異邦人は人の子を侮辱し、唾をかけ、鞭打ったうえで殺す。そして、人の子は三日の後に復活する」 (33~34節)

「復活する」とは言われていますが、「復活」がどんな形で起こるのか全く想像もつきません。
一方で、「捕まり、侮辱され、つばをかけられ、ムチ打たれ、殺される」ことは想像できます。
それは悲惨なこと、最悪のこと、できる限り避けたいことです。

ところが、その悲惨な未来が待っているところに向かってイエスは進んで行かれます。
弟子たちは止めようがありませんでした。

その旅の途中で一人の盲人がイエス・キリストのことを聞き、道を通っている一行に向かって叫び続けました。
「ダビデの子イエスよ、わたしをあわれんで下さい」(47節)。

イエスは彼を呼んで聞かれました。
「何をしてほしいのか」(51節)

盲人は答えました。
「目が見えるようになりたいのです」(51節)

そこでイエスが言われたのが冒頭の聖書の言葉です。

「行きなさい。あなたの信仰があなたの救った」

(その2に つづく)