新約聖書 使徒言行録 19章27節
「これでは、我々の仕事の評判が悪くなってしまうおそれがあるばかりでなく、偉大な女神アルテミスの神殿もないがしろにされ、アジア州全体、全世界であがめるこの女神の御威光さえもうしなわれてしまうだろう」

使徒パウロは神の霊の導きと助けを受けて様々な所に旅をしながらイエス・キリストのうれしい知らせを告げてまわりました。
神はパウロを通して病人の癒しや奇蹟を行なわれました。

当時エフェソという町では女神アルテミスがあがめられていました。
大きな神殿が建てられていました。
神殿での礼拝のためにたくさんの人がエフェソの町に旅をしてきました。
観光みやげのように、町には神殿の模型を作って売っている人たちがいました。

ところがパウロがこの町に来てイエス・キリストのメッセージを伝えると、信じる人たちがたくさん出て来ました。
パウロは伝えていました。
「世界とその中の万物を造られた神が、その方です。この神は天地の主ですから、手で造った神殿などにはお住みになりません。また、何か足りないことでもあるかのように、人の手によって仕えてもらう必要もありません。すべての人に命と息と、その他すべてのもの与えてくださるのは、この神だからです」(17章24~25節)

パウロの言ったことはちょっと考えたらわかることです。
すべてのものを創造された神様なら、必要なものはご自分で作り出せます。
人間がどれだけ立派な神殿を建ててみても、全宇宙を創造された神様がびっくりするようなものではありえません。ましてやそんなちっぽけな神殿の中に縮こまって住まれたりするはずもありません。

しかし、女神アルテミスをあがめるために巨大な石の神殿を建てたエフェソの人のように、人間は神様を自分たちのつくり出したものの中に閉じ込めようとします。
また、何かのルールを「神聖な」ように思い込ませ、神様の祝福がその「ルール」を守る者だけに与えられるかのように思い込ませて人々を縛りつけます。

(その2に つづく)